
こんにちは、あるいはこんばんは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
元々手術室で看護師として働き、現在は大学で教員をしています。
実習を見ていると、
「知識が全くないわけではないのに、なぜか評価が伸びにくい学生」
「一生懸命やっているのに、報告や相談の場面でつまずきやすい学生」
がいます。
その違いを見ていると、単純に能力が低くて動くことが出来ない、学力が低いというより、報告・相談につなげるタイミングや基準がつかめていないことが少なくないように感じます。
実習ではすべてを一人で判断する必要はありません。
むしろ、迷ったときに早めに報告・相談できることの方が大切な場面も多いです。
その為に引率の教員や実習指導者がいるのです。
どんどん聞いてみることも一つの作戦です。
今回は、実習で報告・相談が遅れる学生は何が違うのかについて、評価が伸びにくい理由という視点から整理してみたいと思います。
実習では「知っていること」だけでなく「相談できるか」も見られている
実習では、正しい知識を持っていることももちろん大切です。
ただ、それと同じくらい、あるいはそれ以上に見られているのが、迷ったときに報告・相談することができるかという点です。
臨床では、学生が一人で判断してよいことには限りがあります。
そのため、分からないことや迷いが生じたときに、それを抱えたまま進めてしまうと、学びの面だけでなく安全の面でも不安が残りやすくなります。
そもそも実は実習での援助などは学生だけで判断できるものは〝ほとんど無い〟と言っても過言ではありません。
基本的に何でも確認して動くことが必要になります。
しかし、余談ですがそれでも教員や実習指導者から「もっと主体的に、積極的に」と言われてる時があります。
そんなこと言われても結局どっちよ?と思うかもしれません。
そんな時の為に別記事を作成して説明する予定です。
実習評価では、完璧にできたかどうかだけではなく、必要なタイミングで相談できたか、確認できたかも見られていることがあります。
報告・相談が遅れる学生は、能力が低いからとは限らない
報告や相談が遅れやすい学生を見ると、「この学生は理解が浅いからだ」と単純に言えるわけではないことも多いです。
実際には、
- 怒られるのが怖い
- 今の段階で聞いてよいのか分からない
- もう少し自分で考えてからの方がよいと思ってしまう
- 迷っていること自体をうまく言葉にできない
- 忙しそうで声をかけにくい
といった理由が重なっていることがあります。
つまり、報告・相談が遅れやすい背景には、知識不足だけでなく、不安や遠慮、基準の曖昧さがあることも少なくありません。
病棟実習で報告・相談が遅れやすい場面
病棟実習では、報告や相談が必要になる場面が比較的分かりやすくあります。
例えば、
- バイタルサインに変化があったとき
- 患者さんからいつもと違う訴えがあったとき
- ケアの前後で状態の変化に気づいたとき
- 記録や実施内容に迷いがあるとき
- 次に何を優先すべきか分からないとき
などです。
ただ、実習に慣れていないうちは、「どの程度なら報告するべきなのか」が分からず、様子を見てしまうことがあります。
その結果、本人としては「少し迷っただけ」のつもりでも、指導者から見ると「相談が遅い」と映ることがあります。
正直、ここは学生にとって鬼門です。
報告しに行くと、今じゃなくて良い、後で良いと言われ、報告しないでいると何故すぐに報告しに来ないんだ?という言われ様になる。
実はそこで教員もアドバイスをしたいところなのですが、インシデントや緊急事態に関しては直ぐに報告するようにアドバイス出来るのですが、正直微妙な所まではその実習指導者の気持ちを汲んで、ここは報告するけどここは要らないなどは非常に難しいです。
手術室実習では、報告・相談は少し違う形で現れる
手術室実習では、病棟実習のように学生が受け持ち患者さんの状態変化を逐一報告する場面は多くありません。
そのため、報告・相談の遅れ方も少し違う形で現れやすいです。
例えば、
- 分からないことをそのままにして立ってしまう
- 清潔・不潔や動線の意味が曖昧なまま見学を続ける
- 説明を受けても、その場で確認し直せない
- 疑問を持ったまま振り返りに持ち帰れない
といった形です。
つまり手術室実習では、「すぐ報告する」よりも、分からないことを曖昧なまま流さないことや、あとで確認につなげることが大切になりやすいと思います。
手術室では特に不用意な行動が滅菌物を使用不可にしてしまう可能性があるので、そこだけは本当に注意となります。
評価が伸びやすい学生は、完璧でなくても早めに共有できる
評価が伸びやすい学生は、必ずしも最初から正確に判断できる学生ではありません。
むしろ、完璧に整理できていなくても、迷いの段階で相談できる学生の方が印象に残ることがあります。
例えば、
- 「ここがよく分からないです」と言える
- 「この優先順位でよいでしょうか」と確認できる
- 小さな違和感の段階で共有できる
- 相談したあとに行動を修正できる
といった学生です。
実習では、正解を最初から持っていることよりも、安全に学びを進めるために必要な共有ができることの方が大切な場面も少なくありません。
指導を受けたときの反応も、実はかなり見られている
報告や相談の場面では、その内容だけでなく、指導を受けたときの反応も見られていることがあります。
注意や助言を受けたときに、
- 表情が固まりすぎる
- 返答が極端に少なくなる
- そこで思考が止まってしまう
- 言い訳が先に出てしまう
と、本人は強く責められたつもりがなくても、「次につながりにくい状態」に見えてしまうことがあります。
逆に、すぐに完璧に直せなくても、
- まず受け止める
- 分からないところを確認する
- 次はどうするかを考える
姿勢が見える学生は、学びが続いていく印象になります。
私が実習記録や振り返りを見ていて感じること
私は大学教員をしているので、実習記録や振り返りを見る機会があります。
その中で感じるのは、評価が伸びにくい学生は、知識が全くないというより、迷った時に報告や相談へ繋げるのが遅れやすいことがあるという点です。
実習では、正しい答えを最初から持っていることより、迷った時に早めに共有できることの方が大切な場面も少なくありません。
報告や相談が早い学生は、決して何でも分かっている学生というより、分からないことを抱え込まない学生のように感じます。
これがもしかしたら〝主体性〟に関わってくる部分なのかもしれません。
私達教員側も学生から意見や相談をしやすい雰囲気を作ることも大切ですが、学生も主体的に質問や相談をすることが大事なのかもしれません。
報告・相談が遅れやすい学生に共通しやすいこと
少し厳しめに言えば、報告・相談が遅れやすい学生には、いくつか共通しやすいことがあります。
たとえば、
- 完璧にまとめてから言おうとする
- 迷っていることを自分で認めにくい
- 「まだこの程度では相談してはいけない」と思い込む
- 指導者の忙しさを気にしすぎる
- 自分の中だけで考え続けてしまう
ことです。
ただ、これは性格の問題と決めつけるより、実習での相談基準がまだ身についていない状態と考えた方がよいと思います。
報告・相談を早めるために意識したいこと
実習で報告・相談が遅れにくくなるためには、「もっと勇気を出そう」と気持ちだけで考えるより、自分なりの基準を持つことの方が大切です。
たとえば、
- 迷った時点で一度確認する
- 小さい違和感でもメモしておく
- 何をどこまで自分で考えたかを言葉にする
- 「報告するほどではない」と自分だけで決めすぎない
- 実習後に、相談が遅れた場面を振り返る
といったことです。
実習では、完璧さよりも、早めに共有して安全に学ぶことを意識した方が、結果として評価にもつながりやすいと思います。
まとめ
実習で報告・相談が遅れやすい学生は、単純に能力が低いとは限りません。
むしろ、
- 怒られることへの不安
- 相談の基準の曖昧さ
- 自分で抱え込みやすい傾向
- 完璧にしてから言おうとする姿勢
が重なって、結果として遅れやすくなっていることがあります。
実習では、正しい答えを最初から持っていることよりも、迷ったときに早めに共有できることが大切な場面も少なくありません。
報告・相談が遅れやすいと感じるときは、自分の能力だけを責めるのではなく、
どの場面で、なぜ言い出しにくかったのかを振り返ってみることも大切だと思います。
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