手術室見学実習のレポートはどう書く?|考察の組み立て方と例文つき。

こんにちは、あるいはこんばんは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。

元手術室の看護師で、現在は大学教員をしています。

手術室見学実習のあと、意外と悩みやすいのがレポートです。
見学そのものも緊張しますが、終わったあとに

「何を書けばいいのかわからない」
「見たことはあるけれど、どうまとめればいいのかわからない」
「感想だけで終わってしまう」

と困る方も多いのではないでしょうか。

正直、手術室見学は見るもののほとんどが初めてでしょうし、手術室の独特の緊張感の前に気が付けば終了していて、メモもイマイチ取れていなかったなんてことも起こりかねません。

手術室見学実習のレポートは、ただ「すごかった」「緊張した」と書くだけでは、少しもったいないです。
大切なのは、見たことをそのまま並べることではなく、何を見て、そこから何を考えたかを言葉にすることです。

この記事では、手術室見学実習のレポートを書くときの基本的な考え方、書く内容の整理のしかた、そして実際の例文までまとめます。
「レポートが苦手」「何を書けばいいかわからない」という方の参考になればうれしいです。

手術室見学実習の考察を整理しやすいように、「手術室見学実習 考察ワークシート」無料PDFも作成しました。
記事の最後に置いていますので、必要な方はご活用ください。

手術室見学実習のレポートで大切なこと。

まず最初に、手術室見学実習のレポートで大切なのは、手術の流れを細かく全部書くことではありません。

もちろん、何を見たかを書くことは必要です。
けれども、それ以上に大切なのは、

  • どのような場面を見たのか

  • そこにどんな看護があったのか

  • 患者さんにとってどんな意味があるのか

  • 自分は何に気づき、何を学んだのか

を整理することです。

つまり、レポートでは
事実 → 気づき → 考察
の流れを意識すると書きやすくなります。

例えば、

「入室前に本人確認をしていた」
で終わるのではなく、

「入室前に複数の情報で本人確認を行っていた。これは患者誤認を防ぎ、安全に手術を受けてもらうために重要であると考えた。」

というように、見たことに意味づけをすることが大事です。

レポートに書ける内容は何か。

手術室見学実習で書ける内容は、思っているよりたくさんあります。
全部を書こうとするとまとまりにくくなるので、まずは次のような視点で整理すると書きやすいです。

1. 手術室の環境。

手術室は病棟とはかなり雰囲気が違います。
清潔が重視されていること、物品配置が整えられていること、必要な機器が揃っていることなど、環境そのものに意味があります。

実はその病棟との雰囲気の違いがかなり重要です。

その場でその意味を知ることはほぼ不可能と思います。

しかしそこでメモを取るなりして後から振り返りを実施することで学びが深まります。

強いてはそれがレポート作成に大いに役に立つと思います。

2. 入室から退室までの流れ。

患者さんがどのように迎えられ、どのように手術が進み、どのように退室していくのか。
その流れを見るだけでも、周術期看護の一部が見えてきます。

病棟との申し送り

※特にこの場面は重要と感じます。

ここはぜひ何を話していたのかしっかりメモを取っておくことをおすすめします。

振り返りはその後じっくりできます。

体位固定の流れ(術式に合わせた手術の体位を取る)

手術体位に関しては手術をする時にしか見ることが出来ません。

よってここでしか見ることが出来ない貴重な場面になります。

ぜひじっくり目に焼き付けておきましょう。

など、その他にも様々な場面を見ることになります。

すべてを完璧に覚えることは難しいでしょう。

しかし一つでもメモを取っておく、覚えておくなど頭に入れておくとその後のレポートには非常に役に立ちます。

3. 看護師の行動。

器械出し看護師、外回り看護師が何をしていたのか。
何のためにその行動が必要なのか。
看護師の役割に注目すると、学びが深くなります。

器械出し看護師の実際に器械を渡している姿も、手術見学時にしか見ることが出来ません。

滅菌をどの様に意識して動いているのかしっかり見てみましょう。

外回り看護師のとの連携も見れると良いです。

4. 患者さんへの配慮。

患者さんは不安や緊張の中で手術を受けています。
声かけ、体位の調整、プライバシーへの配慮、苦痛の軽減など、患者さんに向けられた看護はレポートにとても書きやすい部分です。

特に手術では患者さんは非常に不安を抱きます。

そこに一番近くで話が出来るには手術室の看護師です。

どの様に患者さんと関わっているのか見ることは非常に重要です。

5. 安全管理・感染予防。

本人確認、タイムアウト、清潔操作、物品管理などは、手術室見学で学びやすい重要なポイントです。

6. 自分が感じたこと・考えたこと。

実習レポートでは、ここも大切です。
ただし感想だけで終わるのではなく、なぜそう感じたのかまで書けると良くなります。

レポートを書く前に整理しておくとよいこと。

いきなり文章にしようとすると、書けなくなりやすいです。
まずは箇条書きで整理するのがおすすめです。

たとえば、こんなふうに分けます。

見たこと。

  • 入室時に本人確認をしていた

  • 患者さんに声をかけながら手術台へ移動していた

  • 外回り看護師が体位固定や物品準備をしていた

  • 清潔操作を守りながら器械を扱っていた

  • 手術中も患者さんの状態を継続的に確認していた

など

気づいたこと。

  • 安全確認が何度も行われていた

  • 手術が始まる前から看護が始まっていた

  • ただ器械を渡すだけでなく、全体を見ながら動いていた

  • 患者さんは麻酔がかかるまで不安が強いのではないかと思った

など

考えたこと。

  • 手術室看護は処置の補助だけではなく、安全と安心を支える役割が大きい

  • 限られた時間の中でも患者さんへの声かけは大切だと思った

  • 環境や物品配置にも患者安全の意味があると感じた

など

このように整理してから文章にすると、かなり書きやすくなります。

手術室見学実習レポートの基本構成。

レポートの構成は、次の形だとまとめやすいです。

1. 実習内容。

どのような手術を見学したのか、どのような場面を見たのかを簡潔に書きます。

2. 観察したこと。

手術室の環境、看護師の役割、患者対応、安全管理など、印象に残った事実を書きます。

3. 考察。

観察した内容に対して、自分なりに意味づけをします。
「なぜそれが必要なのか」「患者さんにとってどんな意味があるのか」を書く部分です。

4. 学び・今後の課題。

今回の実習で何を学び、今後どのような視点を持ちたいかを書きます。

手術室見学実習レポートの例文。

ここからは、実際に使いやすい形の例文を書きます。
そのまま丸写しするのではなく、自分が見た内容に合わせて調整してみてください。

※コピペは厳禁です!!

あくまで例文です。参考程度に留めてください。

少なくともあなたの身近で見ていた教員にはすぐにバレると思います。

必ず自身の言葉で表現するようにしてください。

例文1:基本形。

今回、手術室見学実習を通して、手術室における看護師の役割と患者さんへの配慮について学ぶことができた。
見学した手術では、患者さんが入室してから手術開始までの間に、本人確認、体位の調整、モニター装着、器械や物品の確認などが丁寧に行われていた。また、看護師は患者さんに適宜声をかけ、不安を軽減できるように関わっていた。

特に印象に残ったのは、本人確認やタイムアウトなど、安全確認が繰り返し行われていたことである。手術室は多くの医療者が関わり、短時間で多くの準備が進む環境であるため、患者誤認や医療事故を防ぐための確認が非常に重要であると考えた。
また、器械出し看護師と外回り看護師がそれぞれ異なる役割を担いながらも連携して行動しており、手術が安全かつ円滑に進むよう支えていることがわかった。

さらに、手術室看護は単に手術の介助を行うだけではなく、患者さんの不安や苦痛に配慮しながら、安全に手術を受けられるよう支える看護であると感じた。患者さんは慣れない環境の中で緊張していると考えられるため、短い時間であっても声かけや説明が大切であると学んだ。

今回の実習を通して、手術室では清潔・安全・迅速さが求められる一方で、その中でも患者さんを一人の人として捉え、安心して手術を受けられるように関わることが重要であると学んだ。今後は、手術や処置だけを見るのではなく、その中で行われている看護の意味にも注目していきたい。

例文2:患者さんへの配慮を中心にした書き方。

今回の手術室見学実習では、手術室という緊張感のある環境の中でも、患者さんへの配慮が大切にされていることを学んだ。
患者さんは病棟とは異なる環境に入り、多くの医療者に囲まれる中で手術を受けるため、身体的な準備だけでなく精神的な不安も大きいと考えられる。

見学時には、入室時に患者さんへ丁寧に声をかけながら対応している場面が見られた。また、手術台への移動や体位調整の際にも、安全だけでなく苦痛や羞恥心に配慮した関わりが行われていた。私は、手術室では治療や処置の場面ばかりが注目されやすいと思っていたが、実際には患者さんの不安を軽減し、安心して手術を受けてもらうための看護が重要であると感じた。

さらに、麻酔導入前の患者さんは意識があり、不安や恐怖を感じやすい状態であると考えられる。そのため、この時間帯の声かけや説明は特に大切であると思った。短いやり取りであっても、患者さんにとっては大きな支えになる可能性がある。

今回の実習から、手術室看護は高度な技術や安全管理だけでなく、患者さんの気持ちに寄り添う視点も必要であることを学んだ。今後は、患者さんがどのような思いで手術に臨んでいるのかを想像しながら看護を考えていきたい。

例文3:安全管理を中心にした書き方。

今回の手術室見学実習では、手術室における安全管理の重要性について学ぶことができた。
見学した手術では、患者さんの入室から手術開始までの間に、氏名や手術部位などの確認が複数回行われていた。また、手術に必要な器械や物品の準備、清潔操作、スタッフ間の連携も丁寧に行われていた。

特に印象に残ったのは、本人確認やタイムアウトが確実に行われていたことである。手術室では多くのスタッフが関わり、処置も複雑であるため、確認不足が重大な医療事故につながる可能性がある。そのため、同じように見える確認を繰り返すことには大きな意味があると考えた。

また、看護師は器械や物品の管理だけでなく、患者さんの体位や状態にも注意を払い、手術が安全に進行するよう支えていた。私は、手術室看護というと器械出しのイメージが強かったが、実際には患者安全を守るための幅広い役割があると学んだ。

今回の実習を通して、手術室における看護は、安全を最優先にしながらチームで患者さんを支える看護であると理解した。今後は、看護行為の一つひとつがどのように安全につながっているのかを意識しながら学んでいきたい。

ここまで読んで、考察の流れは何となく見えてきても、実際に自分の言葉で組み立てるのは難しく感じることもあると思います。
そのため、見たこと → 気づいたこと → 考察 の順で整理できる無料PDFワークシートも作成しました。
書く前の整理に使いたい方は、記事の最後からご利用ください。

レポートを書くときのポイント。

感想だけで終わらせない。

「すごかった」「緊張した」「勉強になった」だけでは、学びが伝わりにくいです。
なぜそう感じたのか、その背景まで書くことが大切です。

たとえば、
「緊張感があった」
ではなく、
「清潔操作や安全確認が徹底されており、一つのミスが患者さんに影響する環境であるため緊張感があると感じた」
のように書くと、内容が深くなります。

看護の意味を考える。

見えた行動をそのまま書くだけではなく、それが何のための行動なのかを考えることが大切です。

患者さんの立場を入れる。

手術室ではどうしても器械や流れに目が行きやすいですが、患者さんの気持ちや状態に触れられるとレポートが良くなります。

自分の今後につなげる。

最後に「今後どのように学びたいか」を少し入れると、実習を今後に生かそうとする姿勢が伝わります。

書きにくいときに使いやすい文。

文章が出てこないときは、次の言い回しを使うと書きやすいです。

  • 見学を通して、〜について学ぶことができた。

  • 特に印象に残ったのは、〜である。

  • その理由として、〜が考えられる。

  • このことから、〜の重要性を学んだ。

  • 患者さんにとっては、〜という意味があると考えた。

  • 今後は、〜という視点を持って学びたい。

まとめ。

手術室見学実習のレポートでは、
見たことを書くことと、そこから考えたことを書くことの両方が大切です。

ただ手術の流れを並べるだけではなく、

  • どんな看護があったのか

  • それは何のためだったのか

  • 患者さんにとってどんな意味があるのか

  • 自分は何を学んだのか

を整理すると、レポートは書きやすくなります。

手術室は、病棟とは異なる独特の環境です。
その中で行われている看護は、器械や処置の補助だけではなく、患者さんの安全と安心を支える大切な役割を持っています。
レポートを書くときも、ぜひその視点を忘れずにまとめてみてください。

手術室見学、看護実習、実習記録や振り返りについては、このサイトでも引き続き整理していきます。
実習で困りやすいことを少しずつ言葉にしているので、必要な方はほかの記事も読んでみてください。

あわせて使える記事

レポートの基本構成や考察の流れは分かっていても、実際に書こうとすると止まってしまうことがあります。

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手術室見学実習で何も書けない時の対処法|レポートが止まった時の考え方

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