【読書感想文】テーマは継承していくこと・馬主と秘書との感動のストーリー【ザ・ロイヤルファミリー】

こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。

元手術室の看護師です。現在は大学で教員をしています。

読書感想文の第四弾になります。

今回の作品はこちらになります。

作品はこちらをCLICK!!

 

なぜこの本を手に取ったかと言うと、2025年10月からの日曜日にドラマで放送が開始されるからです。

そしてこの本の内容は「競馬」になります。

正確には馬主とその秘書との20年間のお話になります。

私は実は競馬が好きです。

ギャンブル要素と言うより、馬が走る姿に感動してカッコいいと思ってしまう質です。

私の経験則かもしれませんが、競馬を題材にした小説やドラマって少ないイメージです。

その物珍しさと、ドラマが始まるという事で先に読んでしまおうということで手に取りました。

 

※ここから先はネタバレを含む場合があります※

なるべくネタバレにならないように配慮しますが感想を述べる以上少々内容を付け加える場合があります。

もちろん全編を事細かに書くわけではありませんので、こちらの記事を読んだ所で書籍を読んでも充分にお楽しみいただけると思います。

競馬の様子を表現したり、レースの駆け引きなどの話ではない。

私が少し想像していたのは、いかにして馬主や調教師、騎手などがレースにおいて勝つか、相手の駆け引きの中で戦略を立てていくのかといった話を想像していたので少し拍子抜けしてしまったのは事実です。

テーマずばり〝継承〟

引き継いでいくもの、それと家族の物語でもあります。

競馬そのものの駆け引きなどを期待するとちょっと期待外れかもしれません。

 

しかし、これはこれで非常に面白い展開でもありました。

競馬はそもそもブラッドスポーツと呼ばれるくらい、血統が大事になります。

馬券を買う人でも血統重視の人もいますし、好きな推し馬が種牡馬になり、その子供の活躍が見たいが故に応援している人もいます。

その意味でも〝継承〟引き継いでいくものがあります。

その話の展開が見事だなと感じました。

一気に読んでしまった、途中から泣いてしまったといった感想がある様です。

 

私も感動しながら読んだシーンはいくつもありますが、正直ちょっと想像外の展開でしたので、その点がマイナスになり泣けるほどではありませんでした。

話の流れであまり納得のいかない展開もあり、そのせいか気持ちが乗ってこない場面もありましたが、全体的に確かに面白く、競馬ファンにとってはお勧めの本になると思います。

 

小説が故のレースのイメージが付きにくい。

私は競馬ファンでもあるので、レース中の描写がすぐに想像付くのですが、やはり文字だけの表現ではレースの臨場感に欠けてしまいます。

正直致し方ないのですが、競馬をあまり見たことの無い読者にとってはちょっと置いてけぼり感があります。

想像の付く私は文章だけの表現でも十分楽しめましたし、素晴らしい描写だったと思います。

 

動画になったらレースの大迫力の再現を期待。

しかし、これはドラマ化したら一番の面白いシーン、感動するシーンになるのではないかと思っています。

やはりレースの臨場感は動画や音声があってのことと思います。

ドラマ化したらその表現が素晴らしいものになると期待しています。

ある意味、小説とは違う雰囲気や臨場感を味わえるかもしれません。

ドラマならではの楽しみが出来そうで本当に期待です。

 

人間味あふれる描写が素晴らしい。

競馬そのもののシーンが多いわけでは無く、主人公や馬主など、それぞれの人間味あるれる描写やそれぞれの関係性など、完全に人間ドラマです。

そこに競馬ならではレースの雰囲気がドラマでは出てくると思うので、小説で読むより非常に面白くなるのではないか、と予想しています。

競馬に魅了された人間、その人間に魅了された人間、それを取り巻く周りの人間達、関係性、など

それぞれの思いや願い、時折譲れないことなども相まって一つの物語を形成してく。

そんなイメージを持ちました。

やはり、特に競馬を知っている方が本書を読むとより気持ちが入って来るのではないかと感じます。

私の将来の夢の一つに馬主になることがあるのですが、本書の中に出てくる人物の様な、とまではいかなくても熱い気持ちで馬主になれたら、とより馬主になってみたい気持ちが大きくなりました。

 

ラストシーンはもっと描いても良かった?

ネタバレになってしまうのですが、本書のラストは余韻を持たせる効果を考えているのか、その先に続くレースの結果などの詳細は描かずに、競走馬の成績一覧といった形で、その後の競走馬の活躍を知ることになります。

元々小説の中でレースシーンがあまり多く描かれていないこともあり、これは狙った演出なのかもしれません。

ただ、それなり大きなレースやライバルの馬たちのその後のレース展開に興味がそそられる部分があり、個人的にはそのレースの詳細を知りたいと思う所もありました。

最後の方に競走馬の成績が載っているのですが、まだまだ続きそうな展開の中で話が終了してしまいます。

しかしながらそれが今回のテーマの〝継承〟に繋がっていて、最後までの詳細を詳しく書かないことは敢えてのことなのかもしれません。

そう考えると確かにニクイ演出ですね。

その辺りもドラマでどの様に演出されるのか非常に楽しみです。

 

競馬ファンもそうでなくても楽しめる小説。ドラマの演出も楽しみ。

ドラマの放送が近いという事もあり足早に読んでしまいましたが、人間味あふれる非常に素晴らしい作品でした。

競馬ファンは元より、競馬を良く知らない人でも十分に楽しめる作品です。

競馬ファンはさらにレースの臨場感や雰囲気を想像してより楽しめると思います。

さらにドラマ化されるという事で、そのレースの臨場感や雰囲気がどの様に再現されるのか非常に楽しみです。

今回は小説の方の感想文になりましたが、ドラマの方も感想を書いていきたいと思います。

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