
こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
元手術室の看護師です。現在は大学で教員をしています。
読書感想文の第三弾になります。
今回の作品はこちらになります。
地政学、初めて聞きました。
日本だけでなくアメリカやロシア、中国など世界中で何度も戦争が起きています。
その要因となるのはその国の地形、地理が大いに影響しているとのことです。
私としては新たな見解で、この本のタイトルを見ただけですこぶる興味が湧いてきました。
早速手に取り読んでみました。
地政学という学問があることをお恥ずかしながら初めて知りました。
そして読み進めると非常に面白く、本当に新たな見解が知れて非常に勉強になりました。
※ここから先はネタバレを含む場合があります※
なるべくネタバレにならないように配慮しますが感想を述べる以上少々内容を付け加える場合があります。
もちろん全編を事細かに書くわけではありませんので、こちらの記事を読んだ所で書籍を読んでも充分にお楽しみいただけると思います。
戦争の要因は地理にあった?
本書を読んでみて目から鱗だったのは、戦争の要因、国同士で争いを行う理由が、その国が位置している場所や山、海などの囲まれているか、などの地理が影響しているとのこと。
正直、私はまったく想像しておらず目から鱗でした。
この様な見解があったこと、そしてこの様な学問があったことに驚かされました。
今日でもロシアとウクライナを始め、世界では戦争が起こっていますがこれにも最近の情勢だけでなく、いままでの長い歴史が影響していること、そしてその中に地形の問題が大いに関係しているとのことです。
日本の防御力は最強?海が最大の防御になる。
日本は第二次世界大戦で敗戦後、戦争はしないと宣言しています。
日本は周りを完全に海に囲まれている珍しい国です。
そしてこの周りを海に囲まれていることがなかなか攻めることが出来ない防御壁としてかなりの効果を生むそうです。
歴史を振り返ってみてもモンゴルが日本を攻めてきたときも、海を渡るだけでかなりの戦力を消耗してしまい、本土に上がる頃にはかなり力が弱くなってしまい、結局の所日本を攻め切ることが出来ませんでした。
神風が吹いた、なんて表現されることも多いですが、そこには海が大いに関係していたということです。
日本でも城の周りにお堀を作って、敵が侵入しにくくしています。
その観点でも海を渡って他国を攻めるということはかなり難しいことが分かります。
日本と同じくアメリカも大半も海に囲まれています。
そういう観点で見ると、日本やアメリカはあまり攻撃に重きをおいている(攻撃をしなければ自国が危ぶまれる)国では無い事が分かります。
ロシアや中国は攻撃的?
逆にロシアや中国は国のほとんどが陸続きになっていて、油断したらすぐに攻められてしまいます。
過去の歴史でもヨーロッパの辺りとの争いが絶えません。
最近のウクライナとの戦争も、NATOとロシアの緩衝材として(ウクライナの位置的にNATOとロシアの間に位置する)機能していたのに、ウクライナがNATOに加入するという流れになると、それをロシアが止めに入り、でもそれを聞かなかったウクライナに向けてついに戦争を起こしました。
これはロシアがウクライナがNATO側に付くことで、緩衝材が無くなり、ロシアに攻め入られることを恐れたことになります。
この様な地理的な関係性を詳しく本書では書いています。
この説明が非常に面白かったです。
正直、ウクライナにも事情がありますし、いつまでも緩衝材の役割を担って損をすることには納得はいかないと思います。
今回の戦争で攻めたロシアの方が悪いと私は思うのですが、ロシアの現在までの歴史を考えると相手の国を攻めていきながら自国を守っていくことが科された国なんだなと感じました。
プーチン大統領もその片棒を持たされてある意味可哀そうな所もあるのかもしれません。
もちろん戦争を起こしたことはダメですけどね。
世界の力関係も地形が関係している?
その国にはその場所にあるが故に、自国を守るために攻撃的になるのか守備的になるのか、それによって弱い国になりやすいのか、強い国になり得るのか、といったところまで地形が関係していると書いています。
自国の地理をしっかりと把握することで、自国を守ることにも繋がるし、どの様に振舞っていけば良いかヒントになり得ると感じました。
日本人として生まれた私達は、なかなか他国から攻めにくい国の様です。
これは恵まれた地形であると私は感じました。
過去に戦争を起こして大きな被害を受けましたが、やはり戦争は二度と起こしてはいけないものだし、その為にも自国だけでなく他国の情勢を知ることは非常に重要です。
そしてその中でも地形や地理を知るということは面白い視点であると思います。
新たな視点で非常に面白い本でした。
ここ最近で読んだ本で今の所一番面白く、お勧めできる本だと思います。
新しい視点での考え方を知ることが出来ましたし、もっと地政学について勉強していきたいと思いました。