分かりやすい&面白い・伝わりやすいプレゼン資料・パワポの作り方のヒント【看護師に陥りがちな分かりづらいプレゼン資料からの脱却】

こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。

私は元手術室の看護師で現在は大学にて教員をしています。

大学教員の仕事の一つに学生に向けて授業をすることがありますが、そこで必ずと言っていいほど出てくるのが分かりやすい資料の作り方について。

授業資料と、プレゼンをする場合の資料とでは少し勝手が違う様に感じます。

例えば授業資料はそのまま復習のための資料として使える様に文字が多くなってしまいますが、プレゼン用の使用では相手にいかに分かりやすく面白く伝えるかになってくるので、見栄えだったり文字を少なめにして読みやすく、といった意識になるかと思います。

特に大学生となると大なり小なりプレゼンの機会は増えますし、現役看護師でもパワポを使っての研究発表のプレゼンなどの機会も多くなると思います。

今回の記事では分かりやすい&面白い・伝わりやすいプレゼン資料・パワポの作り方のヒントについて書いていきたいと思います。

 

この記事で分かる事
・分かりやすい&面白い・伝わりやすいプレゼン資料・パワポの作り方のヒント

いかに相手に伝わるかがポイント。

少し私の話をします。

私がプレゼンをする際に意識している事は、ちょっとした笑いを入れる事と、文字が多過ぎるスライドは作らない事、プレゼンの時にカンペを使わない事です。

私は大学院を情報処理系で修了したのですが、看護系の大学院の話や大学院生の発表を聞いていると、分野でもかなり印象が変わっています。

スライドの作り方も全然違います。

当然ながら私は教わった通りにスライドを作成するのですが、看護系で発表した際にかなり珍しがられました。

あまり見ない発表スタイルだった様です。

私が大学院で教わったプレゼンの仕方は、とにかく相手に伝わることです。

その際の指導していただいた内容を元に書いていきたいと思います。

 

プレゼンテーションとは。

まずはプレゼンテーションとはどういう意味か考えてみましょう。

「存在(presence)をアピールすること」

になります。

そこで注意が必要と言うか、マインドが必要なのですが、

〝発信〟することではなく〝受信してもらえる〟ことだと思います。

自分が満足いくように勝手に話したし、アピールするのではなく、いかに相手に受信してもらえるか、理解してもらえるか、ということになります。

分かってくれない方が悪い、レベル低い、といった考えでは良いプレゼンは出来ないでしょう。

自分中心ではなく、相手中心に考えなければなりません。

 

プレゼンテーションをいかにレベルアップしていくのか。

いきなり分かりやすいプレゼンをしろと言われても、なかなか難しいと思います。

少しづつで良いのでレベルアップしていくためにどの様にしていけば良いのか、一例を挙げてみました。

レベル1(初心者) 中身を揃える。

・要点やキーワードの充実を図る。

まずは基本中の基本です。

要点をまとめる前にその要点すら無いのは元も子もありません。

本当ならそれらをまとめることが発表には求められますが、重要な要点やキーワードをまずは集めることから始めることは重要と思います。

 

レベル2(初級者) 中身を精査する。

・箇条書きにする。

・論理的な繋がりを意識する。

要点やキーワードが集まったらそれを精査していくことが必要です。

そこでまずご指導いただいたのが、出来るだけ箇条書きにすることです。

長々つらつらと文章を書くのではいけません。

また要点だけポツポツと書くだけでなく、繋がりを考えて資料を作成することが重要です。

 

レベル3(中級者) 見やすい、分かりやすい。

・文字使い、色使い、レイアウトを工夫する。

要点をまとめることが出来たら今度は見やすさや分かりやすさを意識してスライドのレイアウトを工夫していきます。

まずは人のまねごとでも良いかもしれませんが、徐々に自身の色を出してくことをお勧めします。

ともかく相手の事を考え、どうすれば見やすく分かりやすいかを意識して作成していく段階になります。

 

レベル4(上級者) 人を惹きつける視点を持つ。

・面白い、分かりやすい絵を用いる、話し方の工夫。

ここまで意識してできたら大したものと思います。

私もまだまだ修行中です。

人を惹きつける視点を持つことは、まずは対象を理解する必要もありますし、もしかしたら発表の途中で周りの反応を見ながら話し方を変える、などの工夫が必要になるかもしれません。

 

相手に伝わるパワポの作り方で意識する事。

初めて見る人が内容をイメージできること。

スライドごとに主張は一つ(複数ある場合はスライドを分ける)

基本的に1枚のスライドにつき主張は1つです。

言いたいことは1つだけということです。

最も説明したい内容が(スライド内で)1つ、明示的に書かれていること、です。

主張を、口頭〝だけ〟で説明するのはダメです。

私も気を付けていますが、周りの発表を見ると守られていない事が多い様に感じます。

主張を一つにすることでスライド数が多くなってしまうことを気にする方もいるかと思います。

しかし、そこで気にするのは主張ををそもそも多くすると本当に伝えたいことが伝わらなくなる可能性もあります。

最初はなかなか難しいかもしれませんが、主張する所と削減する所のバランスが非常に重要になると思います。

 

スライドの意味を見る側が考え出したら✕

私がご指導いただいたのは、スライドの主張を見る側が考え出したらダメ。

見ている側が、図のどこを見れば良いか考えないと分からない資料はダメ。

パッとスライドを見たら何が言いたいか分かる。

話すことはその補足説明をするイメージで、という事でした。

つまりはやはり簡潔に分かりやすく、主張を1つにすることが非常に重要と思います。

 

説明に対してできるだけ画像や映像を使用する。

言葉だけの説明ではなかなかイメージが付かず分かりにくい場合があります。

そして画像、できれば映像があれば特に分かりやすくなります。

動きの説明をしたい時は特にイメージが難しくなりますので出来れば画像や映像を使用したいです。

その際も出来るだけ大きくすることをお勧めします。

沢山説明をしたいが為に文章を書き過ぎて肝心の画像や映像が小さくなってしまっては見づらくなってしまい、伝わりにくくなってしまいます。

 

スライド間で内容が繋がっている様に意識する。

論理の飛躍の回避です。

スライドの展開の中でまったく別の話に切り替わる場合は致し方ないのですが、説明を進める上でいきなり話が飛躍してしまったり、説明の繋がりが良く分からなくなってしまう事を避けましょう。

最終的にプレゼンの発表練習をするかと思いますが、その際に誰か別の人に聞いてもらったり、自身で声に出して練習してみて、スライド間で大きな飛躍が無いか確実に確認していきましょう。

 

発表時間とスライドの枚数を意識する。

基本的にスライド1枚につき1分の計算で考えると良いです。

自己紹介やただ画像を載せるだけのスライドに関しては1分も使用することは無いかもしれないので例外はありますが、基本的な道中のスライドに関しては1枚1分を心掛けると良いです。

発表時間の超過は厳禁です。

スライドの枚数が計算より超過してしまう場合はスライドを選択していく必要があります。

重要なスライドをまずは選定し、残ったスライドは質問に答える様に残しておくことも良いと思います。(むしろその方が質問対応対策として効果的かと思います。)

 

簡潔にまとめるコツ。

文章でダラダラと書くのはダメ。

文章ではなく短文や体言止めなどの項目を意識する。

1枚のスライドに長々と文章があると、結局その文章を読まなければならなくなり非常にストレスです。

段々と読む気が無くなり、見る気も失せてくることになります。

そしてただ文章を読むだけのスライドは非常につまらないです。

口頭で説明するつもりで文章を話すのはアリですが、一語一句その文章をスライドに書くことはつまらないスライドになってしまう可能性が高くなります。

 

項目を分類し、包含関係を明確にする。

列挙するだけでは意味が理解しにくくなります。

前述しましたが要点やキーワードをただ羅列するだけでは意味が伝わりにくいです。

整理して相手に伝わりやすい様にする必要があります。

 

項目はスライド1枚に多くて5個まで。

項目が多いとごちゃごちゃして伝わりにくくなります。

そこでアドバイスとしては1枚のスライドに5個までにすることをお勧めします。

個人的な観点からもこれくらいの個数がちょうど良い様に感じます。

 

文字の大きさ、フォントについて。

32ポイント以上を目安にする。

できれば32ポイント以上が理想ですが、少なくとも28ポイント以上にした方が良いです。

授業資料として読み返す場合では無いのでこのサイズ感になります。

このポイント数に慣れておけば、1枚のスライドに5項目以内の条件もクリアしやすいと思います。

逆に5項目以内で箇条書きにするには32ポイントくらいがちょうど良いという事になります。

 

フォントを統一する。

例えば文章ごとにフォントを変えてみたり、沢山のフォントを使用することは逆に見づらくなってしまいます。

私は1つの資料にフォントは2つまでにしています。

例えば目次やテーマと、実際の文章を別のフォントにしています。

ちなみに私はテーマをHGPゴシックP、文章をBIZ UDPゴシックにしています。

フォントに関しては自身の好きなフォントで構わないと思いますが、ともかく相手が見やすいフォントを想像することは非常に大事な感覚と思います。

 

色を使い過ぎない。

・スライドで注目すべき部分が一目で分かる様にする。

・色の種類が多過ぎるとどこに注目すれば良いか分からなくなる。

・意味で色分けすると焦点がズレやすくなる。

・提示方法を工夫する。

表が良いか、箇条書きが良いか。

表の場合は情報を整理して見せることに向いている。

 

スペースを埋める様に絵を載せることはNG。

私も昔よくやっていました。

良く多用するのは〝いらすとや〟のイラストです。

こちらのイラストを載せることは大学院での指導教員に一蹴されました。

特にスライドの主張について〝繋がりのない〟〝無関係〟なイラスト一切必要ありません。

前述した通り、スライドをパッと見て何を伝えたいのか分かる様にすることが良いスライドの基本です。

そこで無関係なイラストのせいでそのイラストに引っ張られてしまい、主張が上手く伝わらないことがあるとのこと。

確かにその通りです。

安易にイラストで埋めようとするのではなく、相手に上手く伝わる事を意識することは大事です。

 

デフォルトのテンプレは使わない。

スライドの無料のテンプレだったり、ちょっと奮発しておしゃれな有料のテンプレを購入して使用している方もいます。

そのテンプレを〝そのまま〟使用することはあまりお勧めできません。

特に有料のテンプレですと、おしゃれに特化し過ぎて意外と見づらかったり伝わりにくいフォントになっていたりするからです。

あくまで相手に分かりやすい、といった所があった上でおしゃれなら構わないのですが、カッコいいスライドに意識し過ぎて聞き手の事を考えずにプレゼンしてしまう可能性があります。

前述したようなことを心掛けると結局の所、シンプルなスライドが一番になります。

そこを捕らえた上で、自身の色を出す様な個性的なスライドになれば十分と感じます。

 

分かりやすいスライドの他に発表の〝仕方〟もかなり重要。

今回の記事では分かりやすいスライドのコツについて書きましたが、それ以外にもっと重要なことは〝伝え方〟であると感じます。

どの様に振舞うか、どう話せば良いかといったところです。

こちらに関しては別に記事で書いていきたいと思います。

スライドの作成方法に関しては個人の個性もあります。

こちらで紹介したことは私の考えでもあり、実際にご指導いただいた内容でもあります。

これらをしっかり自身に落とし込んで、自身の個性を出しつつ、聞き手分かりやすいプレゼン資料の作り方を模索してみてはいかがでしょうか。