
こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
私は元手術室の看護師で現在は大学にて教員をしています。
先日、分かりやすい&面白い・伝わりやすいプレゼン資料・パワポの作り方のヒントについて記事を書きました。
そこで話した内容の中に、今回の記事では分かりやすいスライドのコツについて書きましたが、それ以外にもっと重要なことは〝伝え方〟であると感じます。との趣旨をお話ししました。
今回の記事ではその〝伝え方〟について書いていきたいと思います。
ただ棒読みのプレゼンではいくら良い資料を提示しても〝つまらない〟プレゼンになります。
逆に多少資料がイマイチでも面白さで惹きつけることが出来ます。
私のご指導いただいたことや、私自身様々なプレゼンを経て感じたことを元に書いていきますので、何かしたヒントになってくれれば幸いです。
大学生もプレゼンに弱い?看護師も同じイメージ。
私は看護系大学で教員をしていますが、学生のプレゼン能力に関して非常に危惧しています。
と言うのも、正直上手いとは言えず、むしろハッキリ言うと下手の部類に入るからです。
ただ上手く表現したり伝えられない、といったこともそうですが、個人的に話をするととても良いことを話していたのにいざ実習指導者の前に立つと話せなくなったりします。
しかしながら、看護系の学会での発表を見ていると看護師も同じようなイメージがあります。
せっかくの良い研究なのに目の前にある準備した文章を読むことに気を取られていて、ガチガチに緊張したロボットの様な発表になってしまっている様子が見受けられます。
発表をする、といった所ではこれで良いのかもしれませんが、私の性格上もありもっと面白い、ちょっとアクセントのある印象に残る発表にすると楽しいのになぁと感じています。
前置きが長くなりましたが、もっと面白くなるプレゼンの仕方のコツについて考えてみました。
カンペは用意しない!これだけでかなり変わってくる!
プレゼンの発表をする際に、一番心掛けて欲しいと思うのが〝カンペを用意しない〟ということです。
正直、これだけでかなり変わってくるかと思います。
看護系の学会の発表を見るとほとんどの発表者があらかじめ用意したカンペを見ながら一語一句間違えの内容に話すことを考えています。
目線は常に手元の紙を見ていて、会場にいる聞き手の様子はまったく見ていない、その為会場がどんな雰囲気になっているのか把握できていない。
挙句スライドが進んでいない、別なスライドのカンペを読んでいる事に気付いていないなんてこともあり得ます。
これは聞き手としても〝伝えたい〟といった熱量が少ないように感じてしまいます。
スティーブ・ジョブズのプレゼン力。
ここでちょっとした雑談ですが、あのiPhoneを開発したことで有名なスティーブ・ジョブズですが、そのプレゼンの様子を見たことはありますでしょうか。
彼は何と「iPhone」という文字が書かれたスライドのみでカンペも無しに1時間話します。
そこまでとは言いませんが、それくらいのプレゼン力で話ができると、聞き手を引き込むことが出来るのではないかと感じます。
さすがにそのスライド1枚だけで、とはいきませんがこれを意識することは自身のプレゼン力を高める要素の一つになりそうです。
カンペ無しにするには自身の発表する内容を熟知する必要がある。
カンペを必要とする、ということは自身の発表の内容を完全には熟知していないことになると考えています。
もちろん緊張で話せない、本番で飛んでしまって真っ白になってしまって言葉が出なくなる、発表する事がキツキツでちょっとでもタイムロスすると発表時間に間に合わない、などの理由があるかと思います。
その為にカンペを用意してその言葉通り話そうという思考に至りやすいです。
そこでカンペ無しとなると、何を要点にして話すべきか、自身の発表する内容をしっかり把握していく必要があります。
発表をする上で意識すること。
聞き手の反応をしっかり確認しながら発表すること。
カンペの話に繋がってしまうのですが、発表をする際には手元の資料ばかりを見ているのはやめて、聞き手の反応を確認しながら発表すると良いと思います。
カンペを用意する場合はスライドを切り替えるタイミングで少し間を取って一呼吸置く時に顔を上げて聞き手の方を見てみる、といったことも大事です。
そこで反応に応じて言い方を変えるなどできればかなりの上級者ですが、難しくて結局カンペの通りになってしまったとしても、言い回しの細かいニュアンスや伝え方が微妙に良い方向に変化するかもしれません。
何より、このことを意識することで練習になり、やがてカンペ無しでもプレゼンができる様になってくると思います。
1枚のスライドにつき1分を意識する。
簡単な画像などをチラッと見せる程度でしたらすぐにスライドを切り替えても良いかもしれませんが、基本的に1枚のスライドにつき1分の時間で説明をすることを心掛けると全体的に良い流れになると思います。
逆に1枚に何分も時間をかけて説明することはあまりお勧めできません。
長い時間をかけて説明しなければいけないほどの情報量を1枚のスライドに書いてはいけない、とも言えます。
早口で話さなければ間に合わない場合は、分量が多過ぎる可能性があります。
落ち着いて話して時間内に収まるようにスライドを減らすことが必要になります。
それだけの情報量を書いてしまうと、結局の所文字数も多くなり、文字自体も小さくなってしまいます。
詳細過ぎる説明は省く。
論理性を重視し過ぎて説明が長くなってしまうと、そのスライドの主張がぼやけてしまう可能性があります。
この辺りのバランスは非常に難しいですが、説明ができなかった所は質問の時に答える様なイメージでも良いかも知れません。
スライドを抜く。
重要な順番にスライドを並べてみて、後ろの方にくるスライドは細部を説明している内容の可能性が高いので、そのスライドを抜けるかどうか検討してみましょう。
抜いたスライドは消さない様にして、最後に残しておきます。
そうすると質問の時に使える場合があります。
時間の超過は絶対にNG。
意外とここを守れない発表は多いなと思います。
発表時間をオーバーした所で強制終了になることはまず無いですし、誰も突っ込んできませんし、せいぜい急かすためのベルが沢山鳴るくらいです。
必ず発表前に練習をして、実際に時間を測ってみてください。
もちろん早口ではなく、落ち着いてゆっくりと話してみてください。
頭の中での黙読ではなく実際にボソボソでも良いので口を動かして練習をしましょう。
ここで制限時間を超過する場合は、説明の内容が多いことになります。
ここで何とか自分の思いをアピールしよう、ということではなく、制限時間を守る様にスライドの枚数を検討するようにしましょう。
早口にならないようにハキハキ話す様にする。
普段の話口調でも早口だと相手が聞き取れません。
とにかく思いを伝えようと沢山説明したくなるのですが、それではやはり相手には伝わりにくくなります。
同じようにモゴモゴ話されるより、ハッキリとした口調では話すことは非常に重要です。
元気に話す、ということではありません。
相手に伝わる様に、一文字一文字しっかりと話すことです。
スライド内のどこを話しているのか示しながら話す。
スライド内に複数の図がある場合は、図の中の一部を使って説明する場合、マウスやレーザーポインターなどを使用して、説明する場所を示しながら説明すると良いです。
やはりここでもカンペ頼りになってしまうと、スライドを見ながらの説明も難しくなります。
聞き手の様子を見ながら伝わっているか表情などを確認しながら説明したいところです。
レーザーポインターを使用する際、よくグリグリ動かす方もいるかと思いますが、できればあまり動かさずに指し示すようなイメージの方が良いです。
グリグリ動かし過ぎてしまうと見ている側がとても見づらくなってしまう印象があります。
スライドをご参照下さい、はなるべく言わない。
特に学会の研究発表で良く聞かれるのが、スライドを出しておいて「内容はスライドをご参照ください」というセリフです。
そしてご参照の時間も無く早々に次のスライドに進んでいくやつです。
発表時間の短縮の為にこの様な事を行うのだとは思います。
気持ちは分かりますが、私が大学院の際にいただいた指導は、
〝説明しないスライドはいらない〟
でした。
結局の所、ご参照する時間も無く次に進んでいくので、スライドを出す意味はほとんどない様に感じます。
例えば、全体像をイメージする為の図や、こんなに沢山ありますよ的なことをイメージとして観客にアピールしたい時は有効かもしれません。
ですが、恐らく〝その〟説明をした方が良いと思います。
ともかくスライドをご参照するだけのスライドはなるべく作らないほうが良いでしょう。
余裕があったらやりたい事。
ここは私の発表時の目標です。
それは発表において必ず一個は〝笑いを取る〟ということです。
大笑いを誘う必要はありませんが、クスリとくるようなエッセンス的なものを仕込む様にしています。
これは会場の雰囲気を把握していないとどの様に展開していけば良いか分からなくなります。
私は会場の雰囲気を把握する意味でもこの様なことをチャレンジ精神で試す様にしています。
最後に。
プレゼンの発表はどうしても緊張します。
そこはもう回数を重ねて慣れていくしかないのかなと思います。
しかしながら慣れていないからと言ってチャレンジしないままただのカンペ読みになってしまうと、次のより良いプレゼンへ繋がっていきません。
すべてを出来る様にすることは一回では難しいですので、少しづつこの様な人前でのプレゼンの経験を増やしていけば、どんどん素敵なプレゼンになっていくと思います。
私も多くの失敗をしました。
現在でも上手くいかないことも多くあります。
お互い切磋琢磨していきましょう。