
こんにちは、あるいはこんばんは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
元手術室の看護師です。現在は大学で教員をしています。
今回の記事は完全に私の主観と、想像で話をしてきます。
ですので事実と異なる部分も多くあるかと思います。
大学教員の経験が長くなっていく上で、もしかしてこんなことがあるのでは?といった視点で書いていきます。
もしかしたら大学教員側からしたらあるあるなのかもしれません。
それでは進めていきましょう。
最近の学生の学力低下傾向について。
以前こんな記事を書かせていただきました。
ここ数年の看護系大学の乱立により、看護大学の学生の学力低下が懸念されています。
看護系だけではない問題なのかもしれませんが、明らかに看護系大学にもその余波が来ていることは確かです。
偏差値で言うとレベルが高い大学ももちろんあるのですが、低い所だと30台であったり、ボーダーフリーという所謂Fランと呼ばれる大学よりも低くなっている所もあります。
SNSでも自分が入院した時にそのくらいの偏差値の看護師に見てもらうことは非常に怖いといった意見も散見します。
必ずしも偏差値の高さが看護師の優秀さを決める訳ではないと思うのですが、一般的には偏差値が高いと優秀であるといった傾向があるのは否めないと思います。
そこについても私なりの見解を書いていますので、ご興味ありましたら読んでいただければと思います。
指定校推薦の罠。
中には指定校推薦の枠を設けている大学もあるかと思います。
指定校推薦とは、主に私立大学で実施される入試制度で、大学が特定の高校に推薦枠を設け、その高校から推薦された生徒を選考します。
指定校推薦なので大学と高校との信頼関係もありますので、それなりに成績の良い生徒を高校で選抜して受験をしてきます。
評定で言うと4.0以上の生徒が選ばれている印象です。
しかし、看護師の仕事の特徴上、それなりにコミュニケーションを取る能力や人に対して共感する能力がある程度ないと難しいところがあります。
適正と言うやつです。
最近の傾向としてこの部分を高校での選考時にどの様になっているのか疑問に思う事があります。
と言うのも、いざ入試に合格して学生として勉強していくうちに、ちょっと決定的に人への関心が低い学生や、成績は良いけど実習などで患者さんや指導者さんと関係性を築けないなど、コミュニケーション能力が圧倒的に足りていない場合があるのです。
高校生の時にそこまで見極めろということは厳しいかもしれません。
しかし、成績優秀だから大丈夫ということでもない、ということが良く分かる事例でした。
そして意外とこの様なパターンが見られるのです。
もしかして高校側の思惑もあるのではないか、と勘繰ってしまうこともあります。
ちなみにですが、いくら指定校推薦であっても不合格になる可能性はあります。
現に私の経験でも不合格になった生徒さんもいます。
その場合は結局のところ筆記試験や小論文、面接の印象も悪く、本当に高校内で選考して選んだ生徒なのかといった疑問の残る生徒でした。
高校と大学との信頼関係でもあるので、その後指定校を取り下げることになりました。
それくらい大きなことになりかねません。
面接対策をみっちりやってきている?
入試をして受験生を見極めていると言っても面接時間はせいぜい10分程度です。
正直、この時間だけで所謂ノンテクニカルスキルを判断することは難しいです。
しかし前述した通り、このノンテクニカルスキルを持っている看護師ほど優秀と思います。
大学生活で充分に育つことは可能と思いますが、将来性を面接で判断できないのは受ける側からしたら少し厳しい印象です。
面接対策をみっちりやってる?
逆を言えば面接の印象さえ良ければ、高校側からしたら多少問題のありそうな生徒だとしても上手くごまかせることが出来るのではないかと考えているのではないか。
そんな不毛な事を想像してしまいます。
私の経験上の事例です。
結構心配になるくらいコミュニケーション能力が乏しい学生がいました。
本当に心配になるくらいで、教授会の議題になり、進級すらも危ぶまれている状況で、2年生への進級も難しいだろうという判断でした。
そこで気になるのが受験した時の面接時の印象です。
その面接担当教員の話では、面接時には特に違和感は無かったそうですし、普通に受け答えが出来ていたそうです。
正直、面接時に本当に大丈夫だったのかと疑いたくなる様な入学してからのコミュニケーションの状況です。
これは私の想像になりますが、高校側が本当にみっちり対策を立てて、こんな質問をされたらこう答える、など一つ一つ細かい所まで指示したのかなと感じました。
それくらい気になる言動だったのです。
高校側も様々な対策を考えてくる。
もちろん高校側の思惑も理解できます。
預かっている生徒を何とかして大学に合格できるようにしてあげたい、それが親御さんからの希望でもあると思います。
何とかして合格するようにありとあらゆる作戦を立てているんだろうなと感じます。
そこで少しだけ気になるのは、
合格させること、だけに固執していないかということです。
その生徒さんの希望かもしれませんが、例えば看護師を希望しているとして、その生徒の適性があまりにも心配する様な場合、少し立ち止まって指導をして欲しいと感じます。
3年間その生徒を見てきたわけですから、大学生になったらどうなるか、といった所もある程度想像が付くのではないでしょうか。
もちろん生徒の希望を押さえつけることはしてはいけないと思います。
ですが、本当にその進路で良いのか、親御さんも含めてしっかりと話し合って欲しいと思います。
本当にしっかりと話し合って答えを出しておられる先生方もいらっしゃると思いますので、ご気分を害されましたら申し訳ありません。
大学側もしっかりと見極めていく必要がある。
もしかしたら高校側の思惑もある中、受ける側の大学も慎重にしていく必要があると感じます。
ただでさえ学力の低下傾向がある受験模様ですが(レベルの高い大学には無縁かと思います)、高校側の何とかして大学へ合格させたいという、ありとあらゆる対策の中で、受ける側の大学もしっかりと選考していくことは非常に大切な所と感じます。
言葉が悪くなってしまうかもしれませんが、本来ならば大学に入学するくらいの学力が伴っていない学生を大学に安易に入学させてしまう事が、将来のレベルの低下を招いてしまっている様にも感じます。
世の中確かに4年制大学に入って学位があった方が就職にも有利に働くのかもしれませんが、それによる大学の偏差値の低下を招き、さらに大学別の格差が広がり、さらにレベルの低下に繋がってしまっているのではないかと感じています。
最後に。
今回の記事はちょっと難しい話になってしまいました。
しかし、このままの現状が続くと将来的にも心配になってしまいます。
高校側の対策を否定するわけではないのですが、本来の生徒の適性をしっかり把握して欲しい事と、大学側も自身のブランドを守るためにもしっかりと見極めていく必要があると感じます。