
こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
今回の話題についてはSNSでも散見していますし、個人的に大学教員として働くようになってからも感じている部分です。
あまり学生自体を責めることは出来ない、受け入れていくことが大事なのですが、やはり現状としてこの様な傾向にあることを自覚していくことは必要と感じ、私情も入りますが見解を述べていきたいと思います。
最近の看護大学乱立が招いた偏差値の低下。
ここ10年程度でかなりの数の新しい看護大学が全国で乱立しました。
乱立の要因として看護師の数が不足しているので、シンプルに数を増やそうという理由があると思われます。
短大や専門学校も4年制の大学へ変わっていったところも多いです。
どうせ看護師の数を増やすなら、看護師の地位の向上を狙い、大卒の数を増やそうということだと思います。
元からある学校が4年制になるのはまだ良いと思うのですが、問題は新しく設立した看護大学が多い事です。
なぜこうなったかと言うと、昔からある看護師の数不足に対応するためにシンプルに学校を増やそうという対策を打ち出したこと、どうせなら看護師の立場?を向上させようと大学を増やそうという、一石二鳥的な考えもあったのではないかと考えます。
そこで実際に何が起きたかというと、偏差値の低下です。
最近設立された新しい看護大学の偏差値は40以下、30台であることも少なくありません。
私が所属していた大学、現在の所属している大学も偏差値は〝BF〟と書かれています。
BFとはボーダーフリーという意味で、下が無い事を示します。
所謂Fランと呼ばれる大学になります。
少し厳しい方になるかもしれないですが、これが現状なのです。
SNSでの反応も…。
私もこの様な学生を相手にしながらもポジティブな内容をSNSで発信したこともあったのですが、その他の大多数の偏差値30台の学生が将来看護師になる、といった部分で懸念を抱いている方も一定数いる事も事実です。
致し方ない心配と思います。
確かに将来に自身の命を預けるであろう看護師の偏差値が30台となると非常に心配になります。
正直、今の大学生のレベルは低下してきていると言っても過言ではない。
私が大学教員になり少し経験をしましたが、年々正直レベルは下がってきていると感じることが多々あります。
特に学力に低下については目を見張る様な感じの学生もいます。
私が見た学生の中で〝算数の割り算が解けない〟〝小学生に習う漢字の読み書きができない〟といった学生がいました。
一人二人ではありません。
正直どうやって入学試験をパスしてきたんだろうと思うくらいです。
面接でもどう切り抜けてきたんだろうといった感じです。
他の記事でも書いているのですが、本来大学に合格するレベルの学力が無い学生も4年制の大学に合格できる傾向にあること、が全体的なレベルを低下させている要因になっていると感じます。
4年制大学の専門学校化。
もちろん偏差値の高い専門学校や、昔から教育されておられる老舗の人気専門学校などなりますが、全体的な最近の流れとして4年制大学が専門学校化してきている傾向にあると感じます。
大学は本来自主性を養うところであり、学生が自主的に行動しなければいけない所があります。
しかし最近の傾向としてその自主性が乏しく、言われないと行動できない、自己解決できないといった大学生が目立つようになりました。
これらの影響は少なからず、大学の専門学校化に繋がっていると感じます。
大学で主体性を身に付けさせたいところで、こちらから手取り足取り教えなければ動かないといった所に手間を取られてしまい、結局のところこちらが頑張って誘導しなければいけない事態になっています。
もちろん、それぞれの大学によって特徴がありますのですべての大学でこうなっていることではありません。
看護師のセンス、の部分で伸びしろのある学生も見受ける。
基本的にレベルが低下しているとしても、その中でも看護的センスを発揮して物凄く伸びる学生も一定数いるのも事実です。
私もその様な伸びしろを発揮した学生を何人も見てきました。
正直偏差値で言うと30台だったと思いますし、本来なら大学生になれなかった学生だったと思います。
それでも看護師としても知識や技術は、下手に頭でっかちで知識をひけらかすような人とは比べようのないくらいの成長をしたと思います。
その様な学生もいるのです。
そこまで結果として伸びた学生は、むしろレベルの高い大学ですと入学すら危うかったと思いますし、今回の看護大学乱立による偏差値の低下の恩恵を受けたことになると思います。
しかし残念ながら大多数が偏差値が低い学生となりますので、全体的にレベルが低くなってしまうのも致し方ないところでもあります。
レベルが低いと言われる中でも、自身の力で成長した学生もいるということも理解していただきたく思います。
今の大学生はその様な状況として一旦受け止める。
これを言ったら今後の改善は見込めないのかもしれません。
しかしこの今現在の状況を受け止めずに、今の大学生を嘆き、レベルの高さばかりを求めていたら先に進まなくなってしまうのかも知れません。
今の大学生の現状をしっかりと一旦受け止め、そこをありきで、ではどうすればより良くなるのか、どうすれば少しでも優秀な看護師として送り出すことが出来るのか、といったところで考えていく必要があるのかなと感じます。
反抗的と言うより素直な学生も多い。
一定数反抗的な学生もいますが、それは今も昔も変わらないと思います。
それより今の学生も素直な学生も非常に多いと感じます。
反抗的と言うより、他力本願というか、与えられるのを待っている状況に慣れてきているのかもしれません。
もしかしたら昔の大学生もそうだったかもしれません。
私の頃も、正直今の大学生よりかはマシだったかもしれませんが、そこまでレベルは高くなかったかも、と内省しています。
この様な素直な学生に対して真摯に向き合い、こちらも学生の一歩に合わせて辛抱しながらゆっくり進めていくこと、穏やかな優しい気持ちで指導していくことが求められているのかもしれません。
最後に。
最近の看護大学生の偏差値の低下について見解を書いてみました。
この現状を嘆くのではなく、それでもなんとかポジティブに進めていく事が今の大学教員に求められているのかもしれません。
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