
こんにちは、あるいはこんばんは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
元手術室の看護師です。現在は大学で教員をしています。
最近の話になりますが、突然ですが頭にアテローム(粉瘤)ができました。
もちろんのことですが、こちらは手術適応です。
それなりに大変な思いをしましたのでここでネタにしたいと思います。
意外と早めに気付いた頭部のしこり。
実は手術をしましょう、と言われる2年くらい前から頭部に出来物(しこり)が出来ている事は承知しておりました。
はい、放置しておりました。
しこりと言うとなかなか恐いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私の場合手術室看護師の経験がここで活きてしまい、速攻でこれはアテローム(粉瘤)だと気付きました。
アテローム(粉瘤)とは皮膚の下(皮下)にできる嚢腫のことで、角質や皮脂が溜まる事で形成されます。
所謂、おできに近いものがあります。
痛みや腫脹といったものは基本的には出ないことが多いです。(もちろんそのまま放置して育ってくると痛みを伴うことがあります)
痛みが出ないので目立たない場所であれば誰かに指摘される訳でもないので放置しがちです。
まさに私もそれにハマり、およそ2年くらい放置していました。
確かに触れば分かるのですが、大きくなることもなく痛みも無いので特別病院に行く気にもなりませんでした。
ある日突然大きく腫脹になる。熱感や痛みの出現。
それがある日突然、若干の痛みと共に軽く熱感も感じるようになったのです。
明らかに何かしら悪いことが起きている、と感じるほどです。
これはいよいよ病院を受診しなければならないと思うくらいでした。
本当に突然で何の前触れもありませんでした。(すでにしこりがあっただろと言うのは御愛嬌)
私の場合、頭部の右額部に近い所でしたので、顔の右半分がジンジンしてボーっとしてしまうほどになっていました。
痛みも伴っていたので、日常生活にもいよいよ支障が出てくる所でした。
2年の月日を経ていよいよ病院を受診することにしました。
大きめの病院へ紹介。
仕事に穴を空けたくなかったので土曜日にやっている皮膚科のクリニックを受診しました。
この時点でアテロームの手術を覚悟していたので、その手術が可能なクリニックを探して受診しました。
そこで私に似た名前の方がおり、頭がボーっとする私は何度も聞き間違えて行こうとしてしまう話は置いておいて、案の上アテローム(粉瘤)の診断が下されました。
そしてもう破裂寸前という事でなるべく早く手術をした方が良いとの事でした。
厄介なのは出来た場所が頭部という事で、出血が多くなることも予想され、そのクリニックでは手術が出来ないので大きな総合病院の皮膚科を受診する事になったのです。
頭部に出来たアテロームの場合、クリニックでは手術が出来ない様です。
ちょっと迂闊でした。
最初から大きめの病院に行けよって話になりますが、紹介状が無いと受診が出来ない場合もありますし、結局の所このルートになりそうです。
頭部のアテロームがクリニックでは対応できないということを知っていたとしても紹介状欲しさに一度クリニックを受診しなければならいという流れは、逆に患者の病状を悪化させる要因では?と感じる一幕でした。
さて。
紹介状を書いてもらったのは良いですが、次に病院に行けそうなのが月曜日。
それまでにお風呂に入っている際に不用意に触ってしまい、それが原因でアテロームが破裂してしまいました。
当然ながら中に入っていた膿が出てきてしまい、おまけに出血までしてなかなか止まりません。
やはり頭部に出来た場合はなかなか侮れない様です。
ひとまずティッシュや絆創膏で止めますが、髪の毛がありますのでなかなか効果的に止めることが出来ません。
何とかカサブタ(?)のようなものができるまで時間がかかり、その状態で仕事を少し早退して病院に向かう事になりました。
炎症があるうちは手術できない。
破裂寸前までの時点ですでに炎症は始まっていたのですが、破裂してしまった故に炎症もよりひどくなりました。
この様な状態では手術は出来ないとの医者の判断でした。
まずは炎症が収まるまで待ちましょう、という事と皮膚科の手術の予定が先までパンパンに埋まっており、なかなか日程の確保も出来ないとの事で、炎症が収まるであろう2か月後に手術の予約をすることになりました。
それまで抗生剤を飲むことと、アテロームが出来た所を清潔に保つ事でした。
頭部ですので所謂、露出部という分類になり、範囲としてはアテロームの部分で直径1cm程度、炎症を起こした部分は2cm程度まで広がっていました。
予期せぬ脱毛。
いきなりアテロームが大きくなって痛みを伴う様になってしまい、炎症まで起こしたことに少々驚きましたが、それよりもショックだったのは破裂して2.3日くらいしてから脱毛が始まったことです。
炎症を起こしている部分が綺麗に抜け落ちてしまいました。
徐々に抜けていき、最終的には直径2cmを範囲にツルッパゲになりました。
当時髪の毛が少々長くなりつつあったので何とか隠すことが出来ていたのですが、まだまだ禿げる歳でもないので、人の目を気にしてしまいました。
調べると確かに炎症を起こしたところが脱毛してしまう可能性があると書かれています。
私の場合は幸いにも毛根が死んでいる訳ではありませんでしたので、時間はかかりますがいずれまた髪が生えてくることになります。
ココに関しては非常に心配しましたが、アテロームが酷くなってから2か月経過してようやく新しい髪が生えてきたところになります。
髪が長いと少々誤魔化しが効くかもしれませんが短髪の場合は非常に目立ってしまいます。
特に若い方だと恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。
手術の方法・手術費用について。
手術をするとなるとその方法や、気になるのが手術費用ですよね。
アテローム(粉瘤)摘出術ということになりますが、正式名称としては「皮下腫瘍摘出術」といった文言になると思います。
腫瘍と書かれるとドキッとするかもしれませんが、悪性でも良性でも所謂デキモノには腫瘍と書かれることが多いです。
特にアテローム(粉瘤)に関しては、それが原因で死ぬような病気ではありません。
そこは心配いらないと思います。
ただ前述した脱毛に関して、どうしてもメスを入れる事になりますのでアテロームが出来た周囲は脱毛の可能性があります。
また頭部の場合、手術部位によっては髪の毛が邪魔になってしまうので剃毛をすると思います。
私の場合は手術部位を思われる場所から直径2cmくらいの剃毛をすることになっていました。
どうしても剃毛は避けられない様です。
恥ずかしい思いをするかもしれませんが、こちらは覚悟が必要かもしれません。
気になるのは手術費用に関してですよね。
私も日々カツカツ生活ですので非常に気になりました。
以下に手術費用についてまとめました。
参考にしてみて下さい。
1) 保険の扱い
アテローム(粉瘤)の診察・手術・必要な検査(病理検査等)は公的医療保険の適用になります。自己負担は保険の種類で3割(現役世代)/1割(高齢者など)が目安。
2) 費用の内訳(手術にかかる主な項目)
初診料・再診料
手術料(術式・部位・大きさで点数が変わる)
局所麻酔料(通常含まれる)
病理検査(摘出後に組織検査を行うと別途費用)
投薬・処方(術後の抗生剤・痛み止め等)
これらすべてに対して保険点数が付くので、合算した自己負担が最終的な支払い額になります。
3) 術式ごとの違いと費用への影響
くり抜き法(くりぬき法):皮膚の小さな穴から内容物と袋を取り出す方法。傷が小さく済むことが多いが、再発リスクがややある。比較的費用は低めのことが多い。
切開・全摘出(切除法):袋ごと広く切開して取り除く方法。再発が少ないが切開が大きく、点数(=費用)が上がる場合がある。
炎症が強い/感染している場合:処置が複雑になり、局所麻酔だけでなく複数回処置や入院が必要になると費用は増える。
4) 実際の「金額目安」(3割負担のケース)
※各病院で点数計算や加算の付け方が違うためあくまで目安です。院ごとの料金表を確認してください。
露出部(顔・首など)2cm未満:自己負担で 約5,000〜6,000円 程度。
露出部 2〜4cm:約11,000円前後。
非露出部(胸・背中など)3cm未満:約4,000〜8,000円 程度。
大きいもの(4cm以上等)や整容的配慮が必要な場合:1〜2万円近くかかることもある。
5) 高額になりやすいケース(注意点)
炎症・感染がひどく、切開排膿や複数回の処置が必要な場合
全身麻酔・入院が必要な大手術になった場合
病理検査や特殊な処置(形成外科的にきれいに縫合する等)の加算
これらがあると数万円〜数十万円に飛ぶケースもあり得ます(まれ)。
6) 保険外(自費)で行う場合
「美容目的で傷痕をできるだけ小さく・きれいにしたい」など保険適用外の希望があると自費診療(保険外)となり、料金は病院ごとに大きく異なります。保険適用での手術と比べて高額になることが多いです。
7) 支払い負担を軽くする仕組み
高額療養費制度や高齢者の負担割合、医療保険の手術給付金(民間保険)を使える場合があるので、条件に応じて申請・確認を。
8) すぐできる次のステップ
まずはかかりつけの皮膚科/形成外科で診察を受け、サイズ・部位・炎症の有無を確認してもらってください。
受診時に「保険での手術の場合のおおよその自己負担はいくらになるか」をその場で見積もり(概算)してもらうと安心です。多くの医院は部位・大きさ別の目安表を持っています。
私の場合は頭部の大体2cmくらいのアテロームでしたので、露出部ということになり約11,000円程度かかる事になります。
どうでしょう。
私的にはなかなかの出費でちょっと痛いなぁと思いつつ、思っているよりかはそこまで高くはないのかなといった印象です。
しかしながらそれなりにお金はかかりますので確認はしておくと安心できそうです。
保険を活用すべし!?
みなさんも当然ながら保険に入っているかと思います。
私も大きめの保険と小さめの保険、計2つに入っています。
加入してる保険の内容によるので確実に確認する必要があるのですが、私の場合〝日帰り手術〟も保険の対象になっていました。
ここで気になるのが〝日帰り手術〟に当てはまるのか、というところです。
- 切り傷等の傷口を縫い合わせた手術
- 皮膚等にできた膿瘍を皮膚切開して体外に出した手術
- 損傷した組織や傷口の異物を除去した手術
- 脱臼等の治療で皮膚の上から手や器具を使って骨や関節のズレを元に戻した手術
- 骨折等の治療でメスを使わずに添え木やギブス等で固定した手術
- 耳や鼻の中から異物を専用の器具で取出した手術
- 虫歯や親知らずを抜いた手術
などの場合は保険対象外になる場合もありますので、確認が必要です。
アテローム(粉瘤)摘出手術は〝皮下腫瘍摘出術〟となりますので、保険対象になる事が多いと思います。
ここが〝皮下切開術〟といった場合だと保険対象外になる可能性があります。
いずれにせよ、説明を受ける時に質問をして自身の保険の対象になるのか確認することが重要です。
私の場合2つの保険に入っていたので両方から請求することが出来ます。
しかもあまり詳しい金額は言えませんが、実際に払う料金より戻ってくる金額の方が多くなります。
これは正直嬉しい事です。
手術を受けるということで色々と面倒なことはありますが、結局の所悪い所は無くなるし、お金も戻るという事でシメシメと思う所でした。
いざ手術へ?
さて、手術当日になりいざ外来の受付に行き準備をしていたところ、どうも雲行きが怪しい…。
看護師さんが手術部位の確認と剃毛の準備をしていたのですが、どこにアテロームがあるのか見つけられない感じになっていたのです。
確かにしこりは完全に消えていましたし、新たに大きくなっている様子はありませんでした。
私は手術室の看護師として働いていましたが、正直この状態で取り切れるのかなといった疑問もありました。
そもそも炎症が収まるまで時間がかかったことと、皮膚科の手術予定を入れるときに一杯だったので2か月後になってしまったこともあり、その間に炎症が収まるどころか完全に引っ込んでしまったのです。
皮膚科の先生に診てもらいましたが結局の所、手術は中止。
3ヶ月後くらいに再度診察をして経過を見ることになりました。
手術をしなくて済んだこと、しなかったことでまだ頭にアテロームの袋が残ってしまっていること、お金が戻ること、せっかくこの場面を準備したのにまた再度しなければいけないこと
など複雑な心境になりましたが致し方ありません。
すっかり脱毛も治り、髪を短くしても大丈夫になっていますが、またしこりが出てこないか確認しつつ、いずれやるだろう手術の機会を気長に待つ事になりそうです。
というお話でした。
楽しめていただけたら幸いです。
それではまた。