【手術室看護師向け】心理的支援の技術ーコミュニケーションを取る際に必要な事

こんにちは、あるいはこんばんは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。

元手術室の看護師です。現在は大学で教員をしています。

突然ですがコミュニケーションって難しいですよね。

私も非常に苦手です。

できれば何事も無く穏やかに過ごしていきたいです。

世の中には同じように悩んでいる方も多く、様々なコミュニケーションに関する情報があふれています。

今回の記事では私自身も研修などで知った内容を元に、円滑なコミュニケーションを取る上での参考になりそうなことをまとめてみました。

何かの参考になっていただければ幸いです。

 

コミュニケーションの相手。

手術室にコミュニケーションが下手な看護師を送り込もうとする上司がいた時代はそろそろ古くなってきているかと思いますが、まだまだ蔓延している所もあるようです。

手術室看護師にコミュニケーションスキルは必須です。

なぜなら、執刀医の外科の先生を始め、様々な職種が一同会して同じ手術に向き合い、患者さんのために同じベクトルを向いて協働しなければいけな部署だからです。

手術室看護師にコミュニケーション能力はいらないのか?【私情を挟んだ見解】

もちろん患者・家族とのコミュニケーションも必須です。

何なら術前訪問などの身近に時間で有効なコミュニケーションを取る必要があります。

手術室看護師のコミュニケーション能力は必須スキルと言えるでしょう。

 

コミュニケーションに大切な事。

1.ポジショニング

⇒パーソナルスペースを取る(距離・縄張り意識)

 

2.ラポール(親密感)

・ミラーリング

・ペーシング

⇒安心感を与える

 

3.傾聴のスキル(バックトラッキング)

⇒「聞く」と「聴く」

 

4.伝えるスキル

 

上記について一つ一つ説明していきます。

それでは行きましょう。

 

ポジショニング。

視線と身体のポジショニング。

・あなたが立って相手が座っている

・あなたが座って相手が立っている

・あなたと相手が同じ目線の高さで対座している

・あなたと垂直に相手が座っている

・あなたと相手が横に座っている

 

上記の状況を考えると一番相手にとって安心感を与え、本心からコミュニケーションが取れる様になるのはどんなシチュエーションでしょうか。

一つ一つ考えていきましょう。

 

あなたが立って相手が座っている。

⇒威圧感を感じる

「命令する時のポジション」

立っている相手は安定感を得られない

【解決策】

・椅子に座る、かがむ

・笑顔で相手を包み込むように意識する

 

あなたが座って相手が立っている。

⇒相手が優位に立つポジション

「尋問のポジション」

上司が部下を呼び出して詰問しているシチュエーション

【解決策】

相手に椅子を勧める

 

あなたと相手が同じ目線の高さで対座している。

⇒「対等のポジション」

「一番話しやすい」

「聞いてもらっている感じがする」

しかし…

真正面:「対決のポジション」

であるため、斜め45℃にして対座する方が良いかもしれません。

あなたと垂直に相手が座っている。

⇒外来・病棟でよく見かけるポジション

基本的にアイコンタクトがないので自分を認知してもらっているのか不安

【解決策】

・頻繁にアイコンタクトを取る

・身体を出来るだけ相手に向ける

・相手が話をしている時、記録の手を止める

 

あなたと相手が横に座っている(ベンチポジション)。

⇒親密感が起きやすい(初対面の人には不向き)

【特徴】

・安心感を得やすい

・言いにくいことや本音を口にしやすい

 

パーソナルスペース(距離・縄張り)

距離感について。

45cm以内  恋人の距離

45cm~120cm  1対1

120cm~300cm  1対多

300cm~  講演会など多数

 

この数値を見ていかがでしょうか。

みなさんの距離感はどうでしょうか。

私の場合、あまり近くに来て欲しくないのでもう少し距離が欲しいなと感じます。

あくまで一般的な距離感なのでしょうけど、やはりここは個人差がありそうです。

 

ラポール(親近感)を抱くテクニック。

ミラーリング。

⇒あなたと相手とがまるで鏡に映っているように振舞う事

・手の動作を合わせる(手の動かし方)

・姿勢 ・足の組み方 ・顔の表情

☆注意☆

あまりに多用し過ぎると逆効果の可能性がある(失礼に当たる、バカにされている様な気持ち)

 

ペーシング。

⇒相手の話す速度や声の調子を合わせる

呼吸のペースを合わせる

【リーディング】

早口の方に対して、初めは早口で合わせていても、ラポールが出来てくると、ペーシング後こちらのペースにりーぞしていく事も可能になる。

 

傾聴のスキル(バックトラッキング)。

傾聴の効果

・〝自分はこの人に受け入れられている〟と確認できる。

・〝自分の話には価値がある〟という自信を持つことが出来る。

・〝自分には存在価値がある〟と肯定することが出来る。

・自分の〝今〟の状態を正しく理解する事が出来る。

 

傾聴のスキル。

⇒話を遮らずに最後まで聴く

☆悪い例☆

患者「ここ数日、頭痛が酷くて…血圧も高いんだ。それで…(言葉が終わらないうちに被せてくる)」

あなた「血圧を測りましょう。今はどの辺りが一番痛いですか?」

患者「(頭痛は収まったし、今は血圧も元に戻ったんだけどな~)」

 

⇒頷く・相槌を打つ

「頷き」「相槌」は〝私は、あなたの話を聴いていつ〟という大事なメッセージを伝えることになる。

☆良い例☆

【同意する】

「なるほど~」「ええ」 「はい」「本当ですね~」

【感嘆する】

「へぇ~」「そうなんですか~」「すごいですね~」

【話を促す】

「それで?」「どうなったんですか?」「そうしたら?」

 

言葉そのものに関しては確かにこの言葉になりそうですが、ちょっと注意も必要と感じます。

それは相手にとって〝本当にそう思っているのか〟と疑いを掛けられる様な相槌の仕方です。

患者さんは病気になっている状況ですし、ただでさえ疑心暗鬼になりやすい状況にあると思います。

特に「へぇ~」といった相槌は誤解を招く場合もありそうと想像します。

こちらに関しても個人差がある為、すぐには多用せず状況を見る必要がありそうです。

 

⇒相手の感覚を大切にして、それを受容する

⇒相手に共感する

☆悪い例☆

患者「私がいなくなると、おじいさんの食事を作る人がいないから。手術なんて無理です。」

あなた「どうにかなりますよ。それより自分の身体の方が大事でしょう。」

☆良い例☆

あなた「おじいさんのお食事が心配なんですよね。」

 

⇒話のキーワードを繰り返す(バックトラッキング)

相手との話している内容を理解したい時、内容を確認したい時、相手の言葉の中で最も重要な部分(キーワード)をタイムリーに伝える。

「○○さんの考えていらっしゃることは○○という事ですね」

と繰り返すと、

〝理解している〟〝理解しようとしてくれている〟

というメッセージになります。

 

⇒相手に共感する

☆良い例☆

患者「手術が必要なのは分かるけど、やりたくないの…。手術しても無駄なんじゃないかって思ってしまう。本当にもう一度元気になれるのかしら…。」

あなた「今のように身の回りの事が自分で出来なくなったらどうしようと不安な気持ちが強いんですよね…。」

 

伝えるスキル。

相手の考えている事は正直、分かる訳がありません。

こちらが頑張って想像して、理解しようとしても結局の所相手の頭の中の声は聞こえません。

もちろんあなたの頭の中も相手には伝わりません。

そこで自身の言葉で相手に伝えようとするのですが、頭の中をしっかり整理していないと思った事がしっかりと伝わらない、といった事が起こります。

さらにしっかり言葉で伝えたとしても、相手の聞き方によっては誤解を招く場合もあります。

自身の言葉の真意が相手に伝わらない訳です。

そしてどの様に理解してくれるか、相手の能力にも差があります。

これらの〝差〟を小さくしていく努力が必要と考えます。

これらの差はあって当然です。

頭ごなしに否定するのではなく、まずは相手の話に耳を傾ける、自身の言葉で相手に分かりやすく伝える努力をすることが必要と感じます。

 

ここで難しいのが、自身は〝出来ている気になっている〟こと。

結局その様な人は相手の批判が始まります。

もちろん本当にその様な場合もあるでしょう。

しかし今一度自身の言動を内省する事も必要と感じます。

私自身も成長過程でまだまだ反省があります。