実習指導者との良好な関係・実習中の看護教員の動向について【私情を挟んだ見解】

実習指導者との良好な関係・実習中の看護教員の動向について【私情を挟んだ見解】

こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。

みなさんは実習指導者を経験されたことはありますか?

私も看護大学の教員となり様々な実習に携わってきました。

その際に一ついつも困ってしまうのが病棟の実習指導者とのコミュニケーションです。

きっと私にも不備がありますのでイライラさせてしまったり、大学の指導方針が分からないといって困る場合もあると思います。

そこで、実習指導者さんとの関係性を良くする意味でも私の私情も挟みながらこんな関係性だとスムーズに実習が進むかなといったお話をしたいと思います。

この記事で分かる事
・大学教員の役割
  実習中はどんな事をしているのか
・看護教員が望む実習指導者との関係性(私情を挟む見解)
・私、一匹兎の体験談を元に一つの事例が分かる

実習中の看護大学教員の役割について。

実習期間中、学生がいかにスムーズに実習を進めることが出来るか。

他の教員の方々がどの様に思うかは分かりませんが、私は大学教員の実習中の一番の役割はこれだと思います。

要するに「学生がなるべくストレスなく実習をスムーズに進められる」

事だと思います。

私は実習中はもちろん、実習が始まる前から様々な調整を行っています。

すべては学生が実習しやすくなる様にしているつもりです。

ここに尽きます。

 

学生のレベルに合わせた指導。

特にこの〝レベルに合わせた〟という部分が難しく、私も日々悩みながら行っている所です。

大まかに捉えて、学年ごとや領域ごとに達成すべき目標が違います。

1年生に3年生の内容を教えたところで当然出来るわけありません。

そこに個々の学生それぞれのレベルを良く見極めて、その学生に合わせた指導を変えていかなければなりません。

 

私はこの問題を解決する為に学生と良くコミュケーションを取る事にしています。

雑談も沢山します。

まずは学生と良好な関係性を築き、話しやすい環境にする様にしています。

この指導の方法については別のテーマでお話しします。

 

実習指導者さんとの調整。

教員の役割の一つが実習指導者さんとの調整があります。

高学年(3年生辺り)になればほとんどを学生に調整させる様にしています。

学生が主体性を出せる様に、また働き出してからの為の練習も兼ねていると私は思います。

1年生や、学生によっては自分から調整が出来ない学生もいるので上手く実習指導者とコミュニケーションが取れているか確認がてら調整をしています。

 

また、学生では対処しきれない内容(次の受け持ち患者さんの選定、学生には言いにくい内容、実習の進捗状況、大学への要望など)について話し合う事が多いと思います。

その他、感じた疑問などは随時受け付けています。

 

大学教員のおおよその1日スケジュール(私、一匹兎の場合)。

朝、出席確認・健康チェック・記録の確認。

朝、更衣を済ませたら学生が全員出席しているか、体調は万全であるか確認します。

(最近はコロナの影響もあり、かなりシビアになっています)

 

その後、その日1日に行動計画の確認、またその他のアセスメントや関連図、看護計画などの記録の確認をします。

その日の目標や、前の日に指導者さんから頂いたアドバイスなどが活かされているか、患者さんへの看護計画をある程度病棟のスケジュールに沿って立てているかなどを見ています。

 

ここであまり書けていない学生がいると、アドバイスをしたりすぐには答えを出さずに、学生が自分の力で引き出せるように助言したりしています。

果たして効果があるかと言われれば今回のテーマとは変わるので、この詳細は後日別に書こうかと思います。

 

それが済んだら病棟へ出発です。

 

学生の挨拶や指導者さんとコミュニケーション取れているか確認。

申し送りではきちんと挨拶できるか、担当の看護師さんと朝にその日の行動計画を発表出来ているかなど、朝のバタバタに上手く学生が順応できているか確認します。

初日は特に重要で、実習の中で一番良く見ていると思いますが、学生も慣れてきたり日が経つにつれてスタッフさん達も慣れてくるので、段々と対応は緩やかになります。

それよりも、教員間で情報共有や学生の状況などを話し合う時間が長引いてしまい、少し朝に遅れることもあります。

 

記録の確認をより時間をかけて。

朝にざっくりとしか見れないので、ここで各自散らばった学生の様子を少し見たら記録の確認を時間をかけて行います。

全ての項目に目を通し、アドバイスしています。

基本的に病棟にいる間は色々と経験させてあげたいと思っているので、病棟にいる間の記録に関しての時間はあまり長くならない様に努めています。

付箋を貼ったり、メッセージを入れたりと後で学生に確認してもらえる様にしています。

学生から記録の事について質問を受けることも多々あるのですが、答えてあげる部分と自分で調べて来てもらう部分との見極めが難しいですね。

ここでいつも指導力の無さを実感しています。

 

ある程度記録を見たら、学生の様子を見る。

私の場合、ある程度記録を見たらあとは学生がしっかりスタッフの一員として動きが取れているのか確認しています。

ここで学生に口出しするとストレスになるかなと思い、基本的にはスタッフさんにお任せしています。

ケアにも基本的にスタッフさんにお願いしています。

初めて患者さんに触れるのは教員といえ一緒ですし、やはり毎日患者さんの状態を見ている看護師さんと一緒にお願いした方が学生も安心なのではないかと思うのです。

 

もちろん、忙しくて学生の面倒を見ていられないといった状況の時は清拭、足浴、歩行見守りなどお手伝いしています。

私の場合は、患者さんとコミュニケーションが普通に取れている学生に対しては自ら患者さんの元へ積極的に行ったりはしていません。

やはりそこは学生が主体的に動いて欲しいし、話しているときに隣に教員がいると緊張するかなと思い、敢えて距離を取る様にしています。

 

基本的にケアは病棟スタッフにお願いしています。

学生の計画の中に清拭や、おむつ交換、足浴などあると思います。

その実技の部分は出来れば病棟のスタッフさんにお願いしています。

 

理由としては、

私も初めましての患者さんですので、どれだけ動けるとか状態の把握が出来ていませんし、何かあった時にやはり病棟のスタッフさんに対応して頂きたいからです。

 

もちろん、お忙しくて手が回らない、学生の相手が出来ないという状況になる事も分かっているので、その際は教員と一緒にケアに入るように指示して頂ければと思います。

ですが、例えば病棟スタッフとでなければケア自体が難しい場合はやはり教員より病棟スタッフさんと一緒にケアをして頂きたく思います。

 

実習指導者さんとの良好な関係性について。

実習に来ているので当然ながら実習指導者さんとコミュケーションを取る必要があります。

ここの連絡がイマイチだと正直実習自体も上手く回らなくなりますし、学生にも大きなストレスになる事があります。

私なりの実習指導者さんとの良好な関係性について私情を挟みながら話したいと思います。

ぜひともご意見ください。

 

喧嘩する気はまったくありません。

言葉が悪くて申し訳ないです。

正直、実習指導者さんの中でも威圧的で学生はもちろん、教員にも口調が厳しい方がいらっしゃるのも事実です。

(もちろん優しい指導者さんがいるのも事実ですし、ほとんどがそうだと思います)

 

我々(教員)は実習指導者さん達と喧嘩をする気は全くありません。

むしろ円滑なコミュニケーションを取りたいと思っている教員がほとんどだと思います。

すべては学生がストレスなく実習が進む様に。

私の周りの教員は皆その様に言っています。

 

もしかしたら一部の教員は上目線で病棟スタッフにも厳しい人もいるかもしれません。

ですが、それはほんの一部です。

一部の教員だけを見て全体を評価しない様にして頂きたく思います。

 

ちょっと目に余る様な教員がいたらさらに上の教員(職位が)に報告して頂ければ、または師長さんや看護部長さんを通じて大学に直接ご意見を頂きたく思います。

 

何か疑問点やご意見があればいつでも承ります。

普段の業務の上に学生を見なければいけないのでさらにご負担になってしまうのは申し訳ないです。

その中で疑問に思う事が沢山あると思います。

その際に、鵜吞みにして悶々と過ごすより、その時点で相談して頂ければその都度確認が出来て、タイムリーな修正が出来ると思います。

教員側も普段の疑問点は解決しながら進みたいと思っていますので、どんどんご意見下さい。

 

記録について。

各看護学校によって指導方法が若干違うと思います。

もちろん病棟の方法とも違うと思います。

そこで辛辣な言葉を頂く事もあります。

可哀そうに思うのは、学生にその文句を言い教員には言わないパターンです。

私も何度もその場面を見かけています。

 

例えば、大学の看護問題の立て方が意味分からないなど。

 

病棟の方法と異なるのは致し方ないとして、結局は患者さんの問題点がしっかり明確に出ていれば良いと思います。

何か疑問点など納得のいかない部分がある時は、こちらも大学ではこの様に指導していますとご説明できると思いますので、ぜひ教員にご相談ください。

 

記録について、気の利いた事を学生に言わないと、しっかり指導してあげないと、と思う事もあると思います。

もちろんこちらとしても非常にありがたいです。

その意識のせいか逆に指導ができない、難しく思う事もあると思います。

記録の指導についてはみなさんの普段考えている事をそのまま学生にも伝えて頂ければそれで構わないと思います。

多少の相違点はあるかもしれないですが、記録については大学側でも逐一確認し修正していますので、こちらに任せて頂いても構わないです。

 

円滑なコミュニケーションを。

実習をしていて非常にありがたいのが、特に実習指導者さんに学生の進捗について報告を密にして頂けるときです。

正直なところ、こちら(教員側)から頻繁に話かけるは業務の忙しさもあって少し億劫なのです。

もちろん、必要な連絡事項については調整をさせて頂いてますが、お時間のあるタイミングで話し換えて頂けるとそれだけで心が軽くなります笑

 

やはり看護学校にとって実習はアウェイです。

少しでも良いので受け入れてもらっているんだという雰囲気を出して頂けると非常に助かります。

 

出来れば朝にご挨拶をお願いします。

実習中にちょっと困ることがあります。

それは顔と名前が一致しない事。

毎日の実習指導者さんもその日によって変わる事も多いと思います。

こちらからお声がけしたいのにどの方か分からずに時間が過ぎてしまう事も多くあります。

 

出来れば学生や教員を見かけたら一言声を掛けて頂きたく思います。

 

ただ皆さんの実践している看護を見せて頂きたい。

皆さんの日頃から実践している〝看護〟のありのままを学生に見せて頂ければそれだけも構わないです。

学生は皆さんの姿を見るだけでも非常に学びになっています。

皆さんがどんな気持ちで毎日患者さんのケアをしているのか、考えや思いをぜひ学生に伝えて頂きたく思います。

 

最後に。

普段の業務に加えて学生の面倒を見るのは非常に負担だと思います。

私達もなるべくご迷惑にならない様にしているつもりなのですが、どうしても摩擦は生まれてしますのが今の現状の様です。

 

そこはやはりお互いの意識や思いのすり合わせ。

しいては毎日のコミュニケーションだと思います。

学生の実習がストレスなく実りあるものにするためにぜひ協力していきましょう。

 

様々なご意見あると思います。

ぜひ話し合いをしましょう。

どうぞよろしくお願い致します。