看護学校でベッドメイキングを学ぶ意味とは|基礎看護学としての必要性を考える

こんにちは、あるいはこんばんは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。

元手術室の看護師で、現在大学にて教員をしております。

よくSNSで見かけます。看護学校で習った技術は現場では使わない説。

特にベッドメイキングなんかはその最たるものでしょう。

しかし、本当にそうでしょうか。

今回の記事では深堀りをしていきたいと思います。

看護学校でベッドメイキングを学ぶ意味とは|基礎看護学としての必要性を考える

看護学校で習うベッドメイキングは、現場ではあまり使わない。
そうした声を見聞きすることがあります。

実際、病院では看護学校で学ぶ通りの方法をそのまま行っていないことも多いと思います。
ベッドメイキング自体を看護助手さんや介護士さんが担っている病院もあるでしょう。

そう聞くと、「それなら看護学校で学ぶ必要はないのでは」と感じるかもしれません。
ただ、私はそれでも、看護学校でベッドメイキングを学ぶ意味はあると考えています。

なぜなら、看護学校で学ぶベッドメイキングは、単にシーツ交換の手順を覚えるためだけのものではなく、患者さんが過ごす環境をどう整えるか、基礎看護学の原理・原則を学ぶ入口でもあるからです。

この記事では、現場での実情も踏まえながら、看護学校でベッドメイキングを学ぶ意味について整理してみます。

こうしたテーマは、単なる技術論ではなく、看護教育の考え方にもつながります。
そのあたりは、看護の教育・構造まとめでも整理しています。

看護学校で教えるベッドメイキングは、現場でそのまま行われているのか

結論から言えば、看護学校で学ぶベッドメイキングが、そのまま現場で実施されている病院は多くないと思います。

実際の病院では、効率を重視した方法が取られていたり、シーツの種類そのものが違っていたりして、学校で学ぶ形と一致しないこともあります。

また、病院によってはベッドメイキングを看護師以外の職種が担っていることもあります。
そのため、「現場では使わないのだから不要ではないか」と考えたくなる気持ちも分かります。

ただ、ここで考えたいのは、
現場でそのまま使うこと基礎教育で学ぶ意味 は、必ずしも同じではないということです。

看護学校でのベッドメイキングは、何を学ぶ技術なのか

看護学校で習うベッドメイキングは、おそらく多くの学生にとって最初期に学ぶ技術の一つです。

シーツや寝具の扱い方、しわを作らないこと、たるみをなくすこと、順序立てて整えることなど、細かい点まで指導されるため、「ここまで必要なのか」と感じる人もいるかもしれません。

ただ、そこで学んでいるのは、単なる手順ではありません。

患者さんが過ごす環境をどう整えるのか。
清潔と安全をどう保つのか。
寝心地や負担をどう考えるのか。

つまり、ベッドメイキングは、患者さんの生活環境を整えるという看護の基本を学ぶ技術でもあると思います。

ベッドは患者さんが生活する場所である

病院のベッドは、患者さんにとって単なる寝る場所ではありません。
治療を受けたり、休息したり、日常生活援助を受けたりと、一日の多くを過ごす場所です。

だからこそ、その環境がどう整えられているかはとても大切です。

ベッドの硬さ、大きさ、寝具の状態、しわやたるみの有無、必要に応じたマットレスの選択など、ベッド環境にはさまざまな視点があります。

ベッドメイキングを学ぶことは、そうした環境を実際に自分の手で扱いながら理解していく第一歩でもあります。

患者さんにとってよりよいベッド環境とは何かを考える入口として、私はベッドメイキングには意味があると思っています。

基礎看護学で大切なのは、原理・原則を学ぶこと

ベッドメイキングは、基礎看護学の中で学ぶ技術です。
基礎看護学で大切なのは、いきなり現場の応用に合わせることよりも、まず看護の原理・原則を理解することだと思います。

現場で役に立つかどうかだけで学ぶ内容を決めてしまうと、基礎教育としての意味は薄くなってしまいます。

もちろん、学生の立場からすると「現場でそのまま使えることを教えてほしい」と思う気持ちも自然です。
ただ、看護をまだ十分に知らない初学者にとっては、まず基本を学ぶことの方が大切ではないでしょうか。

ベッドメイキングは、環境整備や患者さんへの配慮を学ぶ基礎中の基礎です。
だからこそ、現場で完全に同じ形で使われないとしても、看護学校で学ぶ意味はあるのだと思います。

現場で学校通りに行われないのは、効率や役割分担の影響もある

では、なぜ現場では看護学校で学ぶ通りのベッドメイキングが行われないのでしょうか。

そこには、業務効率や役割分担の問題があると思います。

病院では、限られた時間の中で多くの業務をこなす必要があります。
そのため、ベッドメイキングにかける時間を短縮し、患者対応や他の看護業務に時間を回すという考え方は自然です。

また、病院によっては看護師以外の職種がベッド周りの整備を担当していることもあります。

ただ、それは「看護学校で学ぶ意味がない」ということと同じではありません。
現場の効率化と、基礎教育として何を学ぶべきかは、別の話として考えた方がよいと思います。

応用は現場で学ぶ方がよい場合もある

看護学校ですべての病院のやり方を教えることは現実的ではありません。

病院ごとに使う物品も違いますし、ベッドメイキングの方法もさまざまです。
応用の形が多すぎるため、学校の段階でそれを網羅するのは難しいと思います。

だからこそ、看護学校ではまず基本を学び、そのうえで実際の応用は現場で学んでいく方が自然です。

基本を知らなければ応用はしにくいですし、応用だけを先に学んでも、それがなぜ必要なのか理解しにくいことがあります。

看護学校で基礎を学び、現場でそれぞれのやり方に合わせて応用していく。
その流れの方が、教育としては無理が少ないように感じます。

まとめ

看護学校で学ぶベッドメイキングは、現場でそのまま使われるとは限りません。
実際、病院ではもっと効率的な方法が取られていたり、看護師以外の職種が担っていたりすることもあります。

それでも、私は看護学校でベッドメイキングを学ぶ意味はあると思っています。

なぜなら、そこで学んでいるのは単なるシーツ交換の手順ではなく、患者さんが過ごす環境をどう整えるか、基礎看護学の原理・原則をどう理解するかという、看護の土台になる部分だからです。

現場で使うかどうかだけで基礎教育の意味を判断するのではなく、何を学ぶための技術なのかという視点から考えることが大切なのではないでしょうか。

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