初めての器械出しで病院長に言われたこと。

初めての器械出しで病院長に言われたこと。

こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。

今回は私の新人時代、昔話を少々していきたいと思います。

私は新人時代、とある大学病院の手術室に配属されました。

入職してすぐに器械出しデビューとなります。

その時に執刀医だった病院長に言われた言葉が非常に印象的でしたので今回紹介します。

 

この記事の内容

・私(一匹兎)の新人で初の手術で器械出しを担当したときに執刀医の病院長に言われたこと。

新人で手術室に配属。

個人的に騙されたと思うのですが、新人から手術室に配属になりました。

私が所属した大学病院の手術室は新人が10人もいて、器械出し班と外回り班に分かれて進めていく感じでした。

私はその中で器械出し班に所属することになります。

今週金曜日に器械出しデビュー。

入職したその週の金曜日に器械出しデビューを言い渡されました。

しかも全身麻酔のLAR(低位前方切除)という直腸の手術でした。

 

執刀医は○○先生

それどころではない私は執刀医が誰だろうが緊張しまくりで、ひたすら勉強をしていました。

何故か周りの先輩たちがビビってると思ったら、なんと病院長が執刀医でした。

 

私はそれよりも、初めての器械出しにどうすれば良いか、そちらの方が心配でたまりませんでした。

 

病院長から言われた言葉。

言われた器械を出すな。

ん?

と思いました。

器械出しは執刀医の言う器械を用意して渡すのでは?先輩からもそう教わった気がするが…

初めての器械出しに緊張しまくりの私は???が…

 

病院長が言うには、執刀医から言われた器械を出している様じゃダメだ、次に使う器械を予想しなさい、そしてちゃんと準備していなさい、と。

気になるのはその先でした。

 

『君(器械出し看護師)が先生(執刀医)、この器械を使ってくれ!!と思いながら器械を出してくれ!と。

君が出した器械は必ず使おう!!』

という言葉です。

 

それくらい器械出し看護師のことを信頼している、信頼したい、自分たち(医師たち)と同じ気持ちで手術に臨んでほしいというメッセージと受け取りました。

それを病院長が、初めて手術に入った新人にかける言葉ということに感銘を受けました。

 

この言葉は今でも覚えていますし、原点にもなっています。

さすがにあまりに変な器械を渡したときは返されました笑

ただ、先生も一度は使ってみようという素振りをしてくれて、所謂ノリツッコミみたいな感じになりました。

 

これがきっかけで病院長とも距離が近づき、私も新社会人の滑り出しをスムーズに進めることができたと思っています。

これからの仕事の向き合い方を教えてくれた。

ここで注目すべきは、医師が看護師に対してレベルの高さを要求しているとことです。

最近はSNSの普及もあり、愚痴や不満が多めの医療系。

器械出し看護も多職種でもいいのでは?といった意見もあります。

私個人の考えになりますが、器械出しは看護師が担当するべきと思っています。

そこにはやはり、この時の病院長の言葉があったからだと思います。

 

この期待に応えたい。

執刀医と同じ気持ちで、とはどのようなことなのだろうか。

 

器械出しをする上で、言われてから準備するのではまったくダメ、言われる前に準備していて、執刀医から言われると同時または食い気味で出せると良いと思っています。

そうなるにはどうすれば良いのか…

 

執刀医が考えていることに少しでも近づけること、使いたい器械を想像できること。

やはり、日々の勉強が非常に重要と考えます。

術式を完璧に理解するのは当たり前で、解剖や執刀する手順までしっかり頭に入っていれば、まさに執刀医とツーカーな感じで手術を進めていけるのではないかと考えます。

 

多分いくら勉強したところで完璧なることは難しいと考えます。

しかし、少しでも近づけるように努力してくことが重要と考えます。

そのマインドを病院長から教わったように感じました。

 

今の時代こんな言葉をかけてくれる先生はなかなかいない。

と感じています。

本当に良い経験をさせていただきました。

この様な関係性も希薄になってきているのかなと最近の動向をみると感じます。

あまり昔の精神を強要するつもりはないのですが、最近はあまりに難しい、複雑な関係性になりやすく、みんな意識してしまってより希薄な関係性になりやすいのかなと思います。

由々しき事態ではありますが、私も改善の方法はあまり思いつきません。

動向を静観しつつ、何か良い解決策がないか考えていきたいと思います。

 

最後に。

いかがでしたか。

今回は昔話をしてみました。

この様な切り口から現在の学びのヒントに繋がっていけるようなアプローチになるように記事を作成していきたいと思います。

ご意見ご感想は随時お待ちしておりますので、些細なことでもご連絡下さい。

それではまた、次の記事で。