
こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
元手術室の看護師です。現在は大学で教員をしています。
今回の読書感想文の本はこちらです。
ずばり〝数値化の鬼〟
微弱ながら研究をしております、私の心を揺さぶるタイトルです。
私は実は数学が一番好き教科で、高校も理数科でした。
普段から数字というものに興味があり、資料作成でもデータ処理やグラフを作成して、といった作業が大好きです。
果たしてそれが本書とどう関わってくるか不明ですが、思わず手に取ってしまう本です。
著者は株式会社識学という会社の代表でもある安藤広大さんです。
識学って何?
と思いますよね。私もそうでした。
識学とは
組織内の誤解や錯覚がどのように発生し、どうすれば解決できるか、その方法を明らかにする学問、だそうです。
その流れで数値化ときてますからますます興味がそそられます。
※ここから先はネタバレを含む場合があります※
なるべくネタバレにならないように配慮しますが感想を述べる以上少々内容を付け加える場合があります。
もちろん全編を事細かに書くわけではありませんので、こちらの記事を読んだ所で書籍を読んでも充分にお楽しみいただけると思います。
「仕事ができる人」は数字で考えることが出来る。
私も実は数字で考えることが出来ていると感じているのですが、どうも仕事はできない部類に入る様です。
(何でかしら。)
と言うのは数字で考えるという事は〝客観的に考える〟事が出来ている、ということになります。
この〝客観的に〟という所が非常に重要と、本書では訴えています。
ここでさらに重要なのは、
〝出来ない自分〟をちゃんと〝客観的に見れているか〟です。
これってなかなか難しいですよね。
どうしても失敗した時や出来なかった自分を直視することは心が折れてしまいそうになります。
しかしその時に数値化をして数字で見ることで、何が要因になっているのか、何を改善するべきか、何を継続するべきかが分かるということです。
ダメだったから落ち込んだりするのではなく、次にどの様にしていくべきか判断するための材料として、一度数値化して整理することが重要と考えます。
PDCAに繋げる数値化。
本書でも取り上げられているPDCAサイクルの話。
PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」の4段階を繰り返すことで、業務改善・業務効率化・生産性向上などにつなげるためのフレームワークのことを指します。
特にDo(実行)やCheck(評価)するために数値化は非常に有効的です。
本書の例もありましたが、○○%上昇した、というのは非常に曖昧でそれよりも10回中〇回できた、といった方がより正確に把握できるといった趣旨があります。
そしてそれも惑わされない事も非常に大事で、確率に惑わされない様にといった警告も述べています。
さらにはCheck(評価)の部分も主観的なものではなく、やはりここも数値化する事で客観的に考えることが出来るので、どの様に改善していきべきかつなげることが出来ることが書かれています。
PDCAサイクルを取り上げている本は沢山あるかと思います。
しかしではどの様に実際の所やっていくのか、といった部分はあまり提示が無いように感じていました。
本書はそのサイクルの仕方に関してもヒントがあります。
やはりそこは数値化するといったところです。
数字は噓をつきませんのでハッキリと出てきます。
そこで何をどの位やったからこうなったのか、ではどうすれば改善するのか、という部分が客観的に分かる様になってくるのです。
変数はどこか。
先日、林修先生と森岡毅さんの対談の中で〝定数を変えようとする人が多い〟といった話がありました。
私はこの話が非常に腑に落ちたのですが、ここでも似たようなニュアンスで書かれていました。
ここでは定数とは自分の力ではどうすることも出来ないことで、そこに力を入れる意味があまり無いといったイメージで書かれています。
それよりも変数に着目をして、そこに力を入れる事でより効果的になるという話です。
ここでもやはりしっかりと数値化する事で何を変えれば良いのか、変える必要は無いのかといった所が明確になります。
そこで出てくるのが、自身の〝好き嫌い〟といった主観的な部分です。
結果は悪いけどこうしたい、成績は良くないけどこうしたいといったある種エゴの部分がこの数値化には一番の敵になります。
徹底的に数字を見つめて、どこが悪いのかを見極める必要があります。
本書ではそのヒントが沢山詰まっています。
最近の学生は数字に弱い?
本学の学生だけの特徴かもしれません。
基本的に最近の学生は数字に弱い気がします。
さすがに割り算ができない学生を見た時は愕然としましたが、そこは置いておいて全国的にも弱い気がします。
弱いというより、数字から見る現実を見ようとしない傾向にあると感じます。
もしかしたら学生だけでなく大人でもそうかもしれません。
特に成績の面では国家試験の模試ではしっかりと数字で出てきます。
(今のままでは)〝不合格〟といった形で表示されます。
それをしっかりと自身に落とし込んで、今後の対策に活かしていく様にしなければなりません。
その為にやはり、数値化するといった作業は重要で必要な事であると感じます。
本書では仕事ができる人は、と銘打っていますが学生にも十分に通用すると思います。
むしろ学生のうちからこの様な癖をつけておくと将来的にも非常に有効になるのではないかと思います。
最後に。
本書では数値化することにより何が必要で何を改善していけば良いか明確になること、数値化する上でのマインドセットのヒントが満載の内容になっています。
個人的には昔から数字に関しては苦が無く、研究もデータ整理が大好きなもので比較的読みやすい内容でした。
そしてこの数値化こそが仕事ができる様になるためのヒントになることが十分に良く分かりました。
数値化ももちろん必要ですが、その結果を取捨選択していくこと、自身に嘘をつかずにそこも客観的にしていくマインドセットが何より必要なのではないかと感じました。
これを元に私も仕事ができる人間に成長していきたいです。