
こんにちは、あるいはこんばんは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
元手術室の看護師です。現在は大学で教員をしています。
看護学生に付きものなのが演習になります。
演習には例えば清拭やベッドメイキングなど基礎的な看護技術を身に付けるための授業になります。
特に1年生の間は毎週の様に演習が組まれており、まさに基礎看護領域という感じがします。
そこで気になるのは毎週の様に組まれている演習を元に1年生のうちにとことん練習しておいた方が良いでしょうか。
気になる学生もいるかと思いますが、全体的な流れを考えながら検討していきましょう。
あれだけ1年生の時に実施していた演習がいきなりやらなくなる?
1年生の時はほぼ毎週の様に演習が組まれ、多い時だと1週間に2回も実施する場合もあります。
1年生からしたらウンザリする所もあるかも知れませんが、実はカリキュラムの関係なのか学年が進むにつれて演習の回数は格段に少なくなります。
私は成人領域と基礎領域の両方を経験していますが、確実に基礎領域の方が演習の数が多いです。
成人領域ではその分実習にかける時間が多くなっている印象です。
成人領域でも演習が全然無い訳ではなく、前期1回後期1回程度しかカリキュラムに入っていない場合の方が多いのではないかと思います。
成人領域では応用編の演習になりがち。
基礎領域との大きな違いは、成人領域では演習をする際に基礎領域で習得したことの応用編で実施することが多い印象にあります。
例えば、同じ清拭やおむつ交換をするにしても、成人領域の演習ではそこに〝術後患者〟という条件が加わり、動けない患者の清拭やおむつ交換といった場合の演習になります。
つまり基本中の基本として演習をするタイミングは基礎領域の時、つまりは1年生の時でしかないのです。
逆を言うと基礎を確実に習得するタイミングは基礎領域、1年生の時となります。
ココでしっかりと基礎を修得していれば成人領域の演習でもより良い学びになりますし、逆を言うと成人領域での演習に上手く波に乗れないまま終わってしまう可能性もあります。
上の学年になればなるほど忙しくなってくる。
学年が上がるにつれて授業内容も段々と難しくなっていきます。
しかもそのほとんどが応用編で、基礎領域を土台に上積みしていくものがほとんどです。
新しい事を覚えなけらばならず、成人領域だけでなく小児や母性などのもっと専門的な領域も増えてきます。
その様な状況で基礎的な部分を振り返る余裕は時間的にも厳しいかもしれません。
実習でもさらに看護過程の展開などが追加され、どんどんレベルアップしていきます。
実際の実習でやっているの基礎領域でやってきたこと。
成人領域の実習では看護過程をもっと深めていったりとどんどんレベルアップしていきます。
しかし実は実施している援助自体は基礎領域でやってきたことがほとんどです。
小児や母性となると専門的な援助も覚える必要がありますが、やはり基本的な援助の基礎は基礎領域の演習で習ったことになります。
基礎固めがいかに大事かということはその時にはあまり気が付かないものです。
学年が進む度にもっと練習しておけば良かったと後悔しない様にも1年生の間に納得のいく様に修得しておく必要があります。
学年が上がるほど演習の練習がやりにくくなる。
学年が上がるにつれてやるべきことが増えたり、レベルが上がってしまいそれどころではなくなってしまったり、どんどん演習の練習がやりにくくなってしまう印象です。
そしてさらに追い打ちをかけるのが、恥ずかしさです。
学年が上がるにつれて1年生の内容の復習を実習室で実施することは他の学生の目にも触れますので、若干恥ずかしいかもしれません。
足が遠のく要因になりかねません。
基礎領域の実習室は1年生メインで使用する事が多い。
当然ながら基礎領域で使用する実習室(演習室)は1年生がメインで使用します。
一部の熱心な1年生の自主練習や毎週ある演習の準備などもあり、1年生以外の学生が自主練するには少々邪魔になってしまう可能性もあります。
つまり自身が練習したいタイミングで練習ができるとは限らないのです。
結論:基礎的な援助は1年生のうちに出来るだけマスターしておく。
以上、書いた通りの理由からやはり基礎的な援助に関しては1年生のうちにマスターしておくことをお勧めします。
それによりさらに上のレベルにアップした授業でもしっかりついていく事が出来ると思います。
そして1回限りの演習ではマスターすることは難しいと感じます。
1年生の特権でもある、基礎領域の実習室が比較的自由に使用することが出来る1年生のうちだからこそしっかり練習しておくことをお勧めします。
絶賛演習中の1年生にとって、時間外でさらに演習の練習をすることは正直しんどいと思います。
私も学生時代に時間外に練習したことはほとんど記憶にありません。
しかし、せめて一通りの援助が出来るくらいまでは練習しておいた方が今後の学修の流れに乗るかどうかにも影響すると感じます。
ここは一つ自身の進捗状況を確認しつつ、友達も巻き込んで楽しく練習をしてみてください。