
こんにちは、あるいはこんばんは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
手術室看護師は、なんとなく給料が高そうなイメージを持たれやすい気がします。
周りの看護師さんからも、「手術室は羽振りがよさそう」と思われることがあります。
ただ、実際に働いてみると、必ずしもそうとは限りません。
病棟とは手当のつき方が違いますし、夜勤の有無や超過勤務の出方によってもかなり変わるからです。
私は13年の臨床経験のうち、12年を手術室で、1年を病棟で過ごしました。
今回は、その経験をもとに、手術室看護師の給料がどう決まりやすいのか、病棟との違いも含めて整理してみたいと思います。
※あくまで一個人の経験や見解を含む内容ですが、現場で感じてきたことを整理する形で書いています。
手術室看護師は病棟看護師より給料が高いのか
結論から言うと、私の経験では、手術室看護師の給料は病棟看護師より低い傾向がありました。
私はこれまで3か所の手術室を経験しましたが、どこも病棟看護師に比べると、給料面では厳しさを感じることが多かったです。
もちろん病院によって差はあります。
ただ、少なくとも私が経験してきた範囲では、「手術室だから高い」という感じではありませんでした。
手術室は夜勤手当がつかないことが多い
大きな違いの一つが、夜勤手当です。
看護師の給料は、基本給だけを見るとそこまで高くないことが多く、夜勤手当がかなり大きな割合を占めている場合があります。
病棟で月に5〜6回夜勤に入れば、それだけで給料はかなり変わります。
しかし、手術室では「夜勤」という形ではなく、待機や呼び出し対応になっていることが多いです。
その場合、夜勤手当ではなく、実際に働いた時間分の超過勤務として扱われます。
この違いはかなり大きいです。
実際、病棟から手術室へ異動したことで、最初の給料が10万円ほど減ったという話も見聞きしました。
手術室への異動をためらう理由になりやすい
給料の問題は、手術室への異動をためらう理由にもなりやすいです。
私が手術室で働いていたときにも、働き盛りで家族を支えている先輩男性看護師が手術室へ異動してきたことがありました。
とても頼りがいのある方でしたが、給料面の負担が大きく、1年ほどで病棟へ戻っていきました。
聞くと、病棟に比べて10万円近く減ったとのことでした。
一人ならまだしも、家族を養っている立場ではかなり厳しいと思います。
実際、手術室を経験してみたい、勉強してみたいと思っていても、経済面を理由に異動を断る人や、逆に病棟へ戻りたいと考える人は少なくありません。
手術室の給料は超過勤務に左右されやすい
夜勤手当がない分、何で差がつくかと言えば、超過勤務です。
たとえば、夜間の呼び出しがあったときに、電話が来た時点から超過勤務として換算する病院もあります。
緊急手術で遅くまで残れば、その分は確かに給料へ反映されます。
ただ、正直なところ、安定した夜勤手当の合算に比べると、そこまで届かないことの方が多いと感じていました。
私自身、「今月かなり超過勤務したな」と思っても、病棟の夜勤手当ほどには届かないことがよくありました。
しかも、緊急手術の1時間はかなり濃密で、身体的にも精神的にも負担が大きいです。
それでも、給料上は病棟看護師と同じ超過勤務単価で扱われるので、少し割に合わないと感じることもありました。
超過勤務がなければ、かなりシンプルな給料になる
手術室看護師の給料は、超過勤務がない月ほど現実が見えやすいです。
もちろん、住居手当や通勤手当、扶養手当などはつきます。
ただ、夜勤手当がない働き方だと、あとは基本給と超過勤務が中心になります。
私の経験では、月の超過勤務がほとんどつかなかった勤務のときに、夜勤に入り始めた2年目の看護師より給料が低かったこともありました。
当時8年目だったので、さすがに少し震えました。
やはり手術室看護師にとって、超過勤務は給料をかなり左右させる要因だと思います。
夜勤や当直がある手術室は少し事情が違う
一方で、すべての手術室が同じというわけではありません。
大学病院や大規模病院、手術件数が非常に多い病院では、当直や夜勤体制を取っている手術室もあります。
私が新人の頃にいた手術室は当直体制で、夜間は手術室で待機し、緊急手術が入れば担当する形でした。
その場合は、当直手当と超過勤務が両方つく仕組みでした。
当直手当は夜勤手当ほどではありませんが、月に数万円になることもあり、さらに実際に働けばそこに超過勤務も加算されるので、それなりの金額になっていました。
つまり、夜勤や当直がある手術室では、病棟に近い感覚の給料になることもあります。
このあたりは病院ごとの差がかなり大きいです。
手術室看護師でも給料が高い病院はあるらしい
手術室看護師でも、病棟看護師と同じくらい、あるいはそれ以上の給料をもらえる病院があるという話は聞いたことがあります。
ただ、私の周りでは実際にそういう病院を経験した人は少なく、正直なところ、私はそこまで詳しくありません。
なので、「手術室はどこも給料が低い」と断言するつもりはありません。
ただ、少なくとも私が見てきた中では、病棟より手当の面で厳しいことが多かった、というのが実感です。
正直な私の心境
正直に言うと、私は看護師人生のほとんどを手術室で過ごしてきたので、給料面も「こんなものか」という感覚でやってきました。
もちろん、本音を言えばもう少し欲しいです。
でも、同年代全体と比べれば、極端に低いわけでもありませんでした。
むしろ、その給料に合わせて生活水準を調整してきた感じです。
だから、急に大きく増えることもなければ、減ったときのインパクトも独特でした。
あの2年目看護師と大差ない給料だった月は、今思い出しても少し複雑です。
お金には代えられない経験もある
ただ、ここは本当に思うのですが、手術看護にはお金だけでは測れない面白さや経験があります。
手術に立ち会うこと、手術室の中でしか見られないことを知ること、患者さんの安全を術中に支えること。
これは手術室看護師にならないと味わえない貴重な経験だと思います。
勉強することも多いですし、大変なことも多いです。
でも、その分だけ手術室にしかない魅力もあります。
給料だけで見れば厳しいと感じる場面はありますが、それでも続ける人がいるのは、そういう部分があるからなのかもしれません。
まとめ
手術室看護師の給料は、高そうに見られることがあります。
ただ、実際には夜勤手当がつきにくく、超過勤務の有無に左右されやすいため、病棟看護師より低く感じることもあります。
一方で、夜勤や当直がある手術室では事情が違うこともあり、病院による差はかなり大きいです。
だからこそ、給料だけで単純に判断するのは難しいと思います。
収入のことはもちろん大事ですが、それだけでなく、自分がどんな働き方をしたいのか、どんな看護をしたいのかも含めて考えることが大切なのではないでしょうか。
給料面では厳しいこともありますが、手術室には手術室にしかない面白さがあります。
そのあたりも含めて、自分なりに納得できる働き方を見つけていけたらよいのかなと思います。
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