
手術室看護師の給料事情について【私情を挟んだ見解】
周りの看護師のイメージは高給取りでみんなよりも多く給料をもらい、羽振りが良いといった感じでしょうか。
看護師の中でも病棟と手術室では給料の内訳が違うことが多いです。
私は、13年の臨床時代のうち12年を手術室で過ごしました。
病棟時代は1年しかありませんが、その時との違いを比べながらお話していきます。
安定はするが。。。
看護師の給料事情で良く言われる事に「安定している」があると思います。
そこは確かに、さすが国家資格と言うだけあって〝それなりに〟は頂けると思います。
仕事の量と内容に給料が見合うかと言われれば少し疑問符ではありますが、ここについては割愛します。
さらに全国どこにでも病院はありますし、それなりに頂けるという事もあって転職しようとしても病院さえ選ばなければ比較的すぐに就職できます。
例えば旦那さんの仕事の都合で退職しなければならなくなっても、その引っ越し先で比較的すぐに次の働き口が見つかるでしょう。
厚生労働省の調査によると、
看護師の平均年収は491万8300円(平均年齢41.2歳)となっています(2020年度)。
看護師全体の給料の話は置いておいて、今回は手術室看護師の給料について話していきましょう。
正直、病棟看護師より低い傾向にある
いきなりガッカリする内容ですみません。
ですが、私の場合3か所の手術室を経験しましたが、やはりどの手術室も病棟看護師に比べれば低かったです。
夜勤手当が無い
実は看護師の給料のうち、基本給はそれほど高くないのです。
その分夜勤手当が多く入るので、月に夜勤を5,6回でも入れば基本給に上乗せされてそれなりの額になります。
ですが手術室の場合、〝夜勤〟という分け方にならない場合が多いのです。
確かに手術室は手術をする所ですので、手術が無い時間は休みという風に考えれられてしまい、その分の給料は出ない、つまり〝夜勤手当〟ではなく、働いた時間分の〝超過勤務〟としての給料になるのです。
夜勤手当が無いという状況は実は意外と大きく、それなりに経験を積んだ看護師が病棟から手術室へ異動になった時の最初の給料が10万円ほど減ったという方もいました。
手術室への異動拒否理由や手術室からの異動希望理由になる
私が手術室で働いている時に、当時40歳くらいの働き盛りで2人のお子さんを育てる先輩男性看護師が手術室に異動してきました。
歳上の先輩看護師という事もあり、非常に頼りがいがあったのですが、やはり給料面ではかなり痛かった様子で、1年ほどで病棟に異動してしました。
聞くと病棟に比べて10万近く減ったらしく、さすがにそれでは家族を養うことは難しいと判断したようです。
確かに。。。。
自分一人ならまだ耐えられますが、家族がいる方は今までの経済状況からいきなり10万円減らせって言われるとかなり厳しいですね。。
同情してしまいます。
その、経済的な理由から手術室に行きたくないという方も良く見かけます。
手術室を経験してみたい、勉強してみたいといったある程度経験年数のある看護師も経済面を理由に手術室への異動を拒否したり、逆に病棟に戻りたいという方も良く聞きます。
非常に心苦しい状況です。
手術室看護師の給料は超過勤務にかかっている
夜勤手当が無い分何で稼ぐかと言いますと、超過勤務になります。
例えば呼び出しの際に電話がかかってきた時点で超過勤務として換算する様な病院が多いかと思います。
手術をしていたという大義名分がありますので、超過勤務の申請は胸を張って堂々と書くことが出来ます。
しかし、それでも正直安定した夜勤手当の月の合算からしたらそこまで貰えないのが正直なところです。
私の場合、今月かなり超過勤務したなと思っても、病棟の夜勤手当10万円には届かない事の方が多かったです。
さらには緊急手術中に過ごす1時間はかなり濃密で身体にも負担なのですが、超過勤務の単位は病棟看護師と同じというところも私的には不本意な部分です。
もちろん病棟看護師もしっかり働いていると思うのですが、夜中の解離などの緊急手術はかなり身体への負担が大きい仕事です。
その分やりがいもありますが。。。
超過勤務が無ければ基本給のみ
これは非常に恐ろしい事実です。
もちろんその他の、住居手当や通勤手当、扶養手当などは付くのですがあとは基本給+超過勤務のみ。
このパターンが全国的にも多いのではないかと思います。
私の経験上、月の超過勤務がほとんど付かなかった勤務(5日勤のみで夜間の担当が無かった)だった時に、夜勤入りたての2年目の看護師より給料が低かった時がありました。
8年目の看護師が、です。
思わず震えてしまいました。
やはり手術室看護師にとって超過勤務は給料をかなり左右させる要因になります。
かと言って、夜中に呼ばれる身体的な負担を考えるとどちらを選ぶかといった思いがあります。
もちろん患者さんの事を思えば手術することが大事ですが。
夜勤のある手術室は給料もそれなり
ほとんどの手術室が夜間の手術は〝待機〟と呼ばれる状態で、手術するとなったら出勤する形だと思います。
ですが、大学病院の大きな所や、手術件数が非常に多く、手術室看護師も多くいる様な病院では当直や夜勤体制になっている手術室もあります。
私が新人の頃に配属された手術室は、当直体制といって夜間は手術室で待機をして、緊急手術が入れば担当するといった体制になっており、何もなければ休んでいて良いという体制でした。
その場合は〝当直手当〟と〝超勤手当〟が両方加算されるシステムでした。
当直手当は夜勤手当程ではありませんでしたが、月に数万円になり、さらに働けばそこに超過勤務の時間分上乗せされるので、それなりの金額になりました。
私の所属していた病院は日勤+当直の変則2交代制と言われ、その日当直の看護師も日勤で働き、そのまま夜通し待機するといった体制でした。
病院によっては日勤、準夜、深夜と分かれている手術室もあり、その場合は病棟看護師と同じような給料システムになりそうです。
ですが、そういった手術室は移植手術野や、非常に長い手術時間を要する難易度の高い手術、または手術室の数が膨大でかなり多くの件数を手術している病院ではあり得ると思います。
朗報:手術室看護師の給料が高い病院がある
手術室看護師でも病棟看護師と同じような金額を頂ける病院があるとか。。。
都市伝説ではないかと思うくらい、私の周りではいないのですが噂では聞いたことがあります。
が、私は定かではありません。
もし知っている方がいたらコッソリ教えて下さい。
私の心境
正直な所。
私は新人から手術室で、途中で1年ほど病棟を経験しましたが、看護師人生をほとんど手術室で過ごしました。
ですので、給料面も正直〝こんなもんか〟といった感じです。
確かに本音を言えばもう少しもらいたい。。。
ですが、同年代に比べたら貰っていた方です。
さらにはその〝稼ぐ給料〟に〝生活水準を合わせる〟ようにしていました。
急激な給料の上がり下がりを経験した事が無いので、こんなもんかといった心境で仕事をしておりました。
前述した2年目看護師と大して変わらない給料の時はさすがに震えましたが。。。
お金には代えられない貴重な経験
他の記事でも手術看護の魅力についてお話していると思いますが、やはり手術看護は手術室看護師にならないと味わえない非常に貴重な経験だと思います。
特に手術に立ちあえることは数いる人間の中でも限られた存在だと思いますし、手術室の中で仕事していることは本当に貴重な経験だと思います。
看護師の中でも手術室の内部事情までは知らずに引退される方も多いと思います。
勉強することも沢山あるし、魅力も沢山あります。
それは何より、お金には代えられない貴重な経験。
そう思いながらやっていくしかありません。
ネガティブにならずにお互い頑張っていきましょう!!