
こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
元手術室の看護師です。現在は大学で教員をしています。
今回の記事は看護学生の実習記録の中で関連図というものがあるのですが、その関連図について不要説が一部で聞かれるようですので、それに対して私の見解を書いていきたいと思います。
そもそも関連図とは。
看護学生の苦手な実習記録の中の一つと思います。
(正直、全部苦手でしょうけども)
そして看護学校の教員や実習指導者さんにイチイチ細かく指導される記録でもあります。
私も学生時代は様々な指導を受け、正直苦手でした。
大学教員になり再びこの関連図というものに出会う訳ですが、指導する立場になった時に個人的には非常に使えるツールだなと感じました。
私個人的に思うのは、関連図は頭の中にある患者さんの全体像を他者に分かりやすく伝える為と自身でも頭の中の整理を行う為に有効なツールと考えています。
実習記録の順番的に言うと、まずは患者さんの情報収集をしてそれぞれの項目(ゴードンやヘンダーソン)に当てはめて、さらにそこからアセスメントしていく、その後関連図に図式化していくといった順序になるかと思います。
(私の場合はその順番を逆にしてみたりするのですが、この話は別の記事で)
学生がどこまで頭の中を整理できているか、関連図を見れば良く分かるのではないかという個人的な意見です。
関連図を実習記録に入れていない看護学校もある。
私の所属している大学では関連図は必須でしたが、看護学校によっては関連図を実習記録として入れていない所もある様です。
私の経験上では某○○県立大学では関連図を使用していないとのことでした。
学生的にはラッキーって感じかもしれませんが、話を聞くとその分アセスメントの項目の分量を多めにして、どんなアセスメントしているのかみっちり確認するようです。
つまりは、学生の頭の中をしっかりと確認したいので、その方法を関連図を重視するのか、アセスメントの記録を重視するのかで実習記録の内容も変化するのだと思います。
実際の現場では使わない、から看護学生も必要ない?
この様なご意見も散見します。
確かに実際の臨床現場では使いません。
書くことは無いと思います。
ですが前述した通り、学生の頭の中がどうなっているのかを見たいのです。
あくまでその為のツールになります。
〝臨床の現場で使わないから〟ということではありません。
なぜこれらの誤解が生じるかと言うと、あくまで看護学校は初学者に対して看護を教える場所であり、実際の臨床の現場で〝使える〟看護師を育てることではないからです。
専門学校はもしかしたら即戦力を育てる意味合いもあるかもしれないですが、最近の傾向として4年制大学ではちょっと目的が専門学校とは違う所もあります。
確かに看護学校でも今時こんな物品使わないよといった部分もあります。
しかしそれは今の所ごく一部で、基本的には看護の基本を勉強する上では避けることが出来ない所だと思います。
現状で不要と思われるごく一部の部分は今後整理していくこととして、現在の看護実習記録に関してはあまり削除できる所は少ないのではないかと思います。
関連図を無くすのであれば代替案が必要。
前述した通り関連図は学生の頭の中を図式化しているイメージです。
一部では関連図の記録が無い看護学校があるのも事実です。
それぞれの看護学校の方針がありますのでどの様に進めていくのか違いがあるかもしれませんが、私個人の意見としては関連図を無くす分の補填をする必要があると感じます。
そしてこれも私個人の意見になってしまいますが、関連図とは患者さんの全体像を図式化して相手に伝えやすくする事と自身のアセスメントの整理、と思っています。
つまりは図式化する方法として関連図しかないと思う訳です。
すでに免許を取得した看護師の方々は、これらのイメージがしっかり頭の中で出来ていると推測します。
学生のうちにどこまでそれが出来ているのか、ということを示す材料としてやはり関連図が今の現状で最善なのではないか、と感じます。
もちろんこの先別の代替案が出るかもしれません。
その方法によっては関連図に変わるものが出てくると思います。
関連図を実習記録として採用していない看護学校は、やはり文字のアセスメントはしっかり行っている印象です。
つまりは図式化して整理する、と言うよりしっかり文章を書いてアセスメントする、ということを重視していると思われます。
私も〝しっかりアセスメント出来ていて、相手にしっかり伝わる〟のであればどの方法でも構わないと思っています。
今の現状として学生が患者さんをしっかりアセスメントして、相手に伝わりやすくする練習として関連図が良いと個人的には思います。
最後に。
結局の所、しっかりとアセスメント出来ていればそれで良いと思います。
その為には前述した通り、自身でしっかりアセスメントを整理して、それを相手に的確に分かりやすく伝える必要があります。
また、自身でも何が分からないか分からない状況になったり、今のアセスメントの状況がどうなっているのか一度整理する為にも関連図は現状最適な方法であると私は感じています。
しかしこの方法については看護学校によって方針が変わる様です。
関連図に限らず実習記録に関しては、なんでこんな事書かなきゃいけないんだと思うかもしれませんが、それぞれの記録には意味があります。
まずは何故記録を書いているのか、といった意味についてしっかりと自身で落とし込んでいただいてから内容を吟味できると良いと思います。
教育全体の指導方法も変化して生きている世の中、看護の世界も教育の形が変わりつつあります。
それによっては看護実習記録の内容も変更になり、関連図が無くなる日がくるかもしれません。
私もその流れに逆らわずに、日々変わりゆく教育体制にもしっかり吟味しながら関わっていけたらと思います。