
【看護師時代】初めて担当した手術のこと。
私は看護師の免許を短大で取得しましたので、新人の時は四年制大学の人よりも1歳若いんですね(何の自慢だ)。
高校も看護衛生学校?だった同期がいて、その方は私よりもさらに1歳若かった!!
新人から手術室に配属されました。
若干20歳で手術室の看護師になるなんて(私は短大なので21歳)、今思うと良くやってたなと思います。
初めて担当した手術は、手術室に配属された週の金曜日でした。
その手術は未だに覚えています。
初めて担当した手術はLAR(低位前方切除術)の器械出し
私が新人で手術室の配属されてから初めて担当した手術はLAR(低位前方切除術)の器械出しでした。
最初なので、先輩(プリセプター)が一緒に手洗いして横に立って指導をしてくれます。
配属されてから初めての手術までに当然ながら指導が入るわけですが、ひたすら器械の名前を覚えること、手術の内容をひたすら覚えること、器械の渡し方をひたすら練習することを時間の許す限りやっていました。
特に針糸を渡すときは細心の注意を払うように言われていました。
とにかく言われて器械を安全にかつ出来るだけ早く出す、ということを頭に入れていました。
しかしながら。。。
手術が始まる前から緊張が。。
患者さんには伝わらない様にだけ注意していましたが、きっと伝わってただろうなぁ。。。
手術が始まると、意外と緊張は無くなり、と言うより頭が真っ白と言うかもはやちゃんと器械を渡すということのみに集中していた気がします。
しかし。。
初めて担当する手術がLARの器械出しって、結構ハードル高かったなぁと思います。
私はその後田舎の病院へ移るのですが、そこの手術室では新人が最初に担当する手術は鼠経ヘルニアとかラパロの胆摘(その当時かなり少ない器械だった)とかで、正直器械出しには簡単と言われるものでした。
関東と田舎の違いか、今時の時代の流れか。
病院によっても違うのかと思いましたが、後から考えれば田舎の方の手術室では外科の先生方が「出来るようになってから担当して欲しい」という無理な要求があったため、簡単な、ミスをしなさそうな手術から担当させたんだなと思います。
初めての担当なのに出来るようになってからっておかしな話ですよね。
そのマインドの違いも関東と田舎では違うんだなと感じました。
私はいい意味でも悪い意味でもあまり感情が顔に出ないらしく、かなり落ち着いて器械出ししているようにうつった様です。
「なんか落ち着て出来てたね」と意外や褒められたことを覚えています。
内心、どんなことをやっていたかほとんど覚えていないのですが。。。
心に残る先生の言葉
私が初めて担当した手術は消化器外科の手術でした。
当時、その病院長は消化器外科の先生が担っており、消化器外科のトップの教授が私の担当する手術に入るとのことでした。
今思えばかなり緊張物ですが、当時の私はそれが?って感じで、むしろ初めての手術に緊張していました。
先輩方は粗相が無いようにとかなり気を使っていたんだなと思います。
そこで、その教授先生から言われた言葉があります。
今でも私の原点として心に残っています。
「君の出す器械はすべて使おう。これを使ってくれと思いながら器械を出してくれ。」
新人の、初めて器械出しをする様な人間に教授様がくれた言葉です。
私は13年看護師をしましたが、これ以上の看護師を信頼する言葉を聞いたことがありません。
しかも初めて手術する看護師に向けた言葉。
正直、この言葉を聞いたと当時は何のことかよく分からず、とりあえず「はいっ!!」っと返事をしただけでした。
年々と経験を積んでいくうちに、先生がどんな意味を込めてこの言葉を言ってくれたのか〝重み〟を感じるようになりました。
この〝期待〟に応えたい。
この一心で手術看護を勉強しました。
今、器械出し看護師の存在意義すら危ぶまれている状態です。
私は器械出し看護師は看護師やるべきだと思っています。
ですが、正直それを証明する確固たるモノをもっていない。
私の次のステージはココにあるのかも知れません。