【看護学生向け】看護過程アセスメントの書き方のコツ(ゴードンの11項目:機能的健康パターン)【私情を含む】

【看護学生向け】看護過程アセスメントの書き方のコツ(ゴードンの11項目:機能的健康パターン)【私情を含む】

看護学生のみなさん、実習は順調ですか?

covid-19の影響で病院での実習が十分に出来ていない現状があると思います。

実習と言えば看護過程の記録がありますよね。

教員によって言う事が違うし、どの様に書いて良いのか迷いながら書いていると思います。

そこで、私が指導教員だった場合はこの様に書くように教えているよとった所を記事にしたいと思います。

この記事の内容
・看護過程のアセスメントの書き方が分かる。
・私(一匹兎)なりの書き方の一例が分かる。
※注意
・この内容は指導する教員によって考えた方が違うので必ずしも書き方の〝答え〟を書いているわけではありません
 一つの参考程度にして頂ければと思います。
・看護過程アセスメントはゴードンの11の機能的健康パターンをイメージして記事を書いています。

看護過程について。

今回の記事はゴードンの11の機能的健康パターンをイメージして書いております。

そして書き方の例というより、この様なイメージで書いてくれると良いといった感じで書いています。

ご承知おきください。

1.まずは簡単に一般論を書く。

まずは〝簡単に〟一般論を書きます。

一般論とは、所謂教科書に書いてある様なことです。みなさんの学校で採用している教科書で構いません。

時にはその他の本から引用する事もあるかと思います。

患者さんが入院してきた疾患の症状や、その様な要因でなりやすいか、どの様な機序(メカニズム)でその様な病気になるのかなどを書いていきます。

これは簡単で構いません。あまり長く書き過ぎるとクドくなってしまい、前置きが長くなってしまうので結論(いわゆるアセスメントの着地点)が上手く書けなくなる時があります。

また、結局何が言いたいの?と思わせる様な文になってしまいがちなので、自分が最終的にアセスメントの結果として書きたい事に対して少しだけ一般論を述べる様なイメージです。

教員によって一般論をもっと多めに書くように、逆に一般論はいらないなど教え方が違う場合があります。

あくまで私の場合ですが、患者さんが今回入院してきた疾患で特徴的な症状があるとして、その症状が患者さんに出ているのかといった所を書きたい場合、いきなり症状をそのまま書くのではなく、一般的にこの疾患ではこんな症状が出るし、患者さんにも出ている(もしくは出ていないので、今後出てくる可能性がある、観察が必要など)という様にアセスメントに書けると良い、と考えています。

正直、教員より弱い立場にある学生からしたら教員の指導にちがいに戸惑いがあるかと思います。

納得のいかない所も多くあると思いますが、どのやり方が自分のアセスメントにしっくりくるのか考えてみて、自身に落としこんでみてください。

 

例)

・心筋梗塞になると症状として〇〇が出てくる。検査データは〇〇になる。

・80代女性の皮膚状態は一般的に~  など

 

2.患者さんの現在の状態を書く

患者さんの症状や検査データなど、現在の症状・情報を書きます。

ここはS情報もO情報もどちらも記載します。

そしてここでは〝事実のみ〟を書きます。学生の考えはいりません。事実、現在今患者さんに起きている事を書きます。

ここで少しアドバイスですが、S情報とO情報はなるべく連動する様に(隣になる様に)書くことを意識すると良いです。

例えば、S情報に「呼吸が苦しい」とあったら次に書くのはそれに関連するO情報、例えば「検査データ〇〇、SpO2〇〇%、歩行時にふらつきが見られる」など。

そうしておけば後々情報に何が足りないか確認する時に探しやすくなるからです。

その時に足りないと思った情報を次のコミュニケーションだったり、カルテから拾いに行けば良いと思います。

 

ここで注意ですが、S情報は〝患者さんから自身が直接聞いたこと〟を書くようにしてください。

他人から聞いたこと(患者さんがこの様に話していたも含む)はすべてO情報です。

自身が患者さんから聞いたことを〝そのまま〟書いてください。

そこに何か考察したり、推測して追加するなどはダメです。まさに一字一句書いてください。

例えば、言葉を発生することが出来ない患者さんのS情報は、

『………』になります。

 

情報の書き方としてS-1、S-2…など番号をふるのもアリと思います。アセスメントを書く際にどの情報からその様に判断したかを整理しやすくなると思いますし、読み手も分かりやすいと思います。

 

例)

・症状:○○ 検査データ:○○

・S情報 ○○という症状を訴えている

・歩行時にふらつきが見られる           など

 

3.それは正常か異常か・どんな状態か(と考えるか)

その次は、その患者さんの状態をどの様に捉えるか考えを書きます。

または、客観的な情報に関してはそれが正常か異常か答えを出します。

問題点もここに当てはまると思います。

また、その問題によって出来なくなってることも書きます。

 

これは正解を求めているわけでは無く、学生が考えている事を書いていきます。

まずは検査データならそれは正常か異常か、異常であればそれは何が〝原因・要因〟なのか。

 

教員から「根拠は?」と良く聞かれると思いますが、まさにここを聞いています。

根拠のあるアセスメントが出来ているか、学生の皆さんはここを重点的に勉強していると思います。

間違いを恐れずに自分の考えを書いてみてください。

教員からの意見を言わせて頂くと、ここが白紙の学生には正直アドバイスが難しいです。

白紙の学生には「書いてきてね」としか言えないからです。

そこでたとえ間違いを書いてきたとしても、そこから「ここはこうすれば良い」「もう少しこのように考えたら良いのではないか」といった何かしらのアドバイスが出来る様になるからです。

 

例)

・症状が〇〇、検査データが○○なので貧血と考える。

・○○の症状が出ているのは○○が原因・要因と考える。

・歩行時のふらつきは貧血によるものと考える。      など

 

4.ではどの様な援助(看護)が必要なのか。

最後にその症状や出来なくなっている事(問題点を含む)に対して、どの様に援助するのか、看護介入するのかを書きます。

看護は直接手を下すこと以外も入ります。例えば観察点についてです。

観察項目もどの様な項目が必要なのか書いていきます。

 

文言的には○○が必要と考えるといった形になります。

ここでも学生自身で考えた援助項目を書いてください。

 

看護について、どの様に看護していくのか、どんな看護が必要なのかといったことも書かななければいけませんが、それが難しいんだよっていう学生も多いと思います。

個人的にここもみなさんが使用している教科書や、図書館で借りた本からパクれば良いと思います。

しかし、そのままパクってはいけません。それは患者さんに本当に有益な看護計画になりませんし、教員にもあっという間にバレると思います。

大事なのは、教科書や本に書いてあるのは一般論の看護なので、基本中の基本です。そこで、受け持ち患者さんに当てはまるかどうかを考察すれば良いと思います。

さらにそこに患者さんに必要なことを追加すれば良いのです。

そこに〝個別性〟が出てきます。

 

例)

・貧血によるふらつきが見られるため、トイレ歩行時転倒を防ぐために付き添いと見守りが必要である(と考える)。

・心不全による呼吸苦が見られるため、適宜観察が必要  など

 

すべての項目に当てはまるわけでは無い。

上記に解説したものはゴードンの11の機能的健康パターンの項目にすべて当てはまるものではありません。

特に最後の方にいけばいくほど書き方がその通りではなくなります。

特に1.の一般論は書き辛くなります。その時は省いてしまって2.から書き始めても良いと思います。

あくまでもこのようなイメージでということです。当てはまりそうな部分を抜き取って書いてみたら、少しは形になるのではないかと思います。

あくまでも〝基本線〟ですので、自分で好きなようにアレンジしたり文脈を変えてみたりして自分なりの文章の書き方をしてみても良いかと思います。

 

教員によって言う事が違う。

これは良く学生の不満として聞く内容です。

アセスメントの書き方も教員によって様々あり、どれが正解かとは言えません。

ですが、上記の基本線に則っていればそんなに大きく修正されることは無いのかなと思います。

 

そして、不満はあるかもしれないですが教員のそれぞれのやり方や考え方を聞いてみて、自分なりにどの方法が合っているのか考えてみて(アセスメントしてみて)、自分なりの方法を導き出してください。

それが看護観に繋がると思うし、自分が何を大事に看護をしているのか見えてくるのかなと思います。

担当教員に喧嘩を売るのではなく、以前○○先生からはこの様にご指導をいただきました、と現在の担当教員に相談しても良いかもしれません。

本当は指導に関しては教員間でも統一すれば良いかと思うのですが、それぞれの看護観があるように考え方にもそれぞれあります。

学生には本当に難儀で申し訳ないのですが、勉強と思い、沢山の教員の考え方を聞いて参考にしていただければと思います。

 

あくまでも患者さんの問題点を導き出すためのツール。

ヘンダーソンもゴードンもNANDAの看護診断も、結局は患者さんの問題点を導き出すためのツールでしかありません。

病院独自の看護問題と計画を実施している施設も多いでしょう。

学生はまだその〝導き出す〟という事を勉強中の身ですので、様々な方法を実施しながら練習しているのです。

また、なぜその問題にしたのか?という問いに「この方法を使いました」と説明することが出来るツールでもあります。

理論を使用した方が信頼性が増すからです。

 

最近ではNANDAの看護診断が流行りの様ですが、ゴードンと比べるとやり方がかなり違う様に思えます。

その点でも、自分に合った方法はどれがあるだろうかと考えてみるのも良いかと思います。

最後に。

看護過程は正直教える側も完璧に理解しているかといったら疑問になるくらい難しいです。

私も日々勉強しています。

学生と一緒に考えて、学生ならでは発想でアセスメント出てきたときはこちらも刺激になります。

 

何か困っている事があったら連絡ください。