
【手術見学】見学実習の学生の目的・目標とは?【私情を挟んだ見解】
こんにちは、一匹兎(@pepeopecn)です。
特に成人の実習となると患者さんによっては手術の見学が入るかもしれません。
その時に必ずと言って、手術室の臨床指導者から聞かれるのは「何を目的・目標にして見学をするのか」という事。
要するに、何しにここに来るの?という事です。
正直、この手術見学上での目的・目標ってすごく難しい。
そこにどんな事を学べたのか、要するにアウトカムはどんな感じかを聞かれています。
私なりに手術見学に対する目的・目標とは何があるのか考えてみました。
手術看護は想像がつきにくい?
看護学生は本当に一生懸命だと思います。
患者さんの情報からアセスメントし、看護問題を導き出して看護計画を立てる。そんな看護過程を一生懸命に勉強してます。
実習はもちろんですが、授業でもペーパーペイシェントとして事例を用いて看護過程の練習をしてから実際の患者さんで展開しています。
正直まだまだ発展途上(当たり前ですよね)です。
疾患や症状を捉えきれていない、患者さんも気持ちを想像できないのは致し方ないのかなと思います。
そこで、手術の事は想像つくでしょうか。
恐らくほとんど想像できていないと思います。看護大学の授業でも手術中の事はほとんど出てきません。国試にもあまり出ません。
その様な状況で手術看護を想像する事はなかなか難しいと思われます。
その中で目的・目標をしっかりという事は少し酷なのではないか?と思うのです。
どの様に学生と関われば良いのか。
目的・目標を書かせるのは良いと思います。
学生に目的・目標を考えさせて書かせるのは良いと思います。
と言うよりやった方が良いと思います。
ですが、レベルの高い目的・目標をとなると少し優しい目で見た方が良いかもしれません。
例えば「器械出し看護師・外回り看護師の役割を理解する」といった目標を設定してくる学生がいたとして、では具体的にどの部分が見たいかについてまではなかなか出てこないのが現状だと思います。
もちろんこれが総合(統合)実習で4年生の場合や手術室の興味があって将来手術室で働きたいといった目標がある学生ならもっと突っ込んで聞いても良いかと思います。
ですが、大体の手術見学が含まれる実習は3年生の成人実習であることが多いです。
この時期に手術看護の細部まで目標を立てるのはかなり厳しい事が予想されます。
ではどの様に関わるのか。
意見が分かれるかもしれないですが、学生の目標・目的を踏まえた上でさらに興味が湧く様な、手術看護にはこんな魅力があるんだという部分を一つでも多く見せて頂けると幸いです。
手術見学を終えた学生が口を揃えて言うのが、手術室のイメージが変わったということです。
悪い方ではなく、良い方へ変わる事の方がほとんどです。
それはやはり、手術室のイメージがほとんど想像つかず、ドラマで見る様な所しか思いつかないからだと思います。
こちらの記事を読んで頂いている方はきっと手術室看護が好きな方々ばかりだと思います。
そこで、みなさんの〝手術看護はこんな魅力があるんだ〟という部分を惜しみなく見せて欲しいのです。
ただそれだけで学生の学びになります。
明確な目標達成の為ではなく、まずは見る事から。
病棟の実習で実際に患者さんを受け持っての場合は明確な実習目標があって、それを達成する為に学びを深める必要があります。
ですが手術見学に関しては〝まずは多くを見る事、経験する事〟が一番大事だと思います。
逆を言えばそこまで確固たる目標を定めてしまうと動きが鈍くなってしまう、または目標を見出せずにせっかくの良い機会を活かしきれないまま終わってしまう事もあり得るという事になります。
それを踏まえた上で目的・目標をしっかりという考えならば致し方ないですが、正直学生もそこまでモチベーションを高く維持できるのは、本当に手術室に興味のある学生だけですのでやる気自体も低下していしまう恐れがあります。
しいては実習担当の指導者もガッカリするのではないでしょうか。
たいした目的・目標じゃなくても優しい目で見て欲しい。
最後にお願いしたいのは、学生が手術見学に来た際にたいした目的・目標じゃなくても怒らずに優しい目で穏やかに指導して頂きたいのです。
手術見学となったらただでさえ緊張している学生がさらに緊張する事になります。
それよりも、手術見学楽しかったと、より深い勉強になったと、イメージが良い方向に変わっていけるような関りをして頂きたく思います。
それは普段みなさんが大事にしている〝手術看護〟をただじっくりと見せて頂けるだけで良いのです。
どうぞよろしくお願いいたします。