【看護学生向け】手術室見学に行く時の心構え

【看護学生向け】手術室見学に行く時の心構え

こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。

主に成人看護学領域になると思いますが、実習で手術を受ける患者さんを受け持った場合、手術室に手術見学に向かう事があります。

ただでさえ緊張しているのに、手術見学となるとさらに緊張するでしょう。。。

 

私は臨床時代、実習担当をしていた事がありました。

今回はその時の経験を踏まえて、看護学生に向けて手術見学時の心構えについてアドバイスいたします。

この記事で分かる事
・手術室見学の時の心構えが分かる

手術室では見学のみに徹する場合がほとんど。

手術室に案内されて、手術室看護師用のユニフォームや帽子、マスクをしたらいよいよ中に入って患者さんを待ちます。

 

さて、看護学生さんは何をするかと思いますが、実はあまりありません。

例えば器械出しをさせるなんてもってのほかだし、外回りの仕事で出血の測定や体位固定なんかやらされるなんてことはまず無いと言って良いでしょう。

 

たまにちょっとした時間に色々と体験できるかもしれませんが、基本的に事前に勉強してきても出来ないことの方がほとんどだと思うので、教えてくれる人の言うとおりにしていれば大丈夫でしょう。

 

質問もどんどんしちゃいましょう!!

手術室看護について学生にうちに答えられる内容はかなり少ないです。手術の事を事前に勉強してどんな手術か、くらいは答えれるようにしておいて、あとは外回りの看護師さんに質問しちゃいましょう。

たまに質問してくる看護師がいますが、見学の目的や術式について答えれればよいと思うので、その他は「教えてください」と答えてその場で教えてもらいましょう。

 

これだけは守ってもらいたい事。

・不用意に手術室の物品を触らないこと

手術室の物品は所謂〝滅菌状態〟である物が多いことや、とても高価な物、一つしかない物などがあります。

要するに、学生が不用意に物品を無駄にしない様に注意をして欲しいのです。

 

どうすれば良いか。。。

取り合えず実習担当者の言う事をきちんと聞くこと。これは触らないでくださいとか、ここは注意して通ってください。とか、オリエンテーション時に注意事項を言われると思うので必ず守る様にしてください。

 

特に、手術見学中は〝ここで見ていてください〟と場所を指定する指導者の方もいらっしゃると思います。

これは不用意に歩き回ったりして手術の進行の邪魔にならない様にする為だと思われます。

 

術野(手術台)に近づき過ぎないこと、特に器械台には絶対触らないこと!!

その近くを通る時も注意を払ってください。

移動したいときは必ず、指導者や外回り看護師に確認をしてください。

 

・具合が悪いときは必ず申し出ること

特に手術中にいきなり倒れられることが一番迷惑です。特に術野や器械台に倒れた時なんかは悲惨です。

手術に使用する道具を一新しなければなりせんし、患者さんへの感染のリスクも高まります。

 

自分がちょっとグロ系が苦手だったり、ずっと立ちっぱなしだと貧血を起こすなど事前から具合が悪くなりそうだなと思う要素があるならば、より慎重に注意してください。

時には思い切り術野を見るのではなく、少し距離をおいて患者さんのお腹の中はあまり見ない様にするなど自分なりに工夫が必要です。

その時は看護師に伝えてください。やる気のない学生と思われるのも損なので。

 

見た目の問題もありますが、においの問題もあります。人が焼けるにおいは必ずしも良いものではありません。このにおいにヤラれる学生もいますので注意です。

※特に具合が悪くなりそうな事例

・硬膜外、脊椎麻酔時

⇒全身麻酔の前に実施することが多いので、こんな早々に?と思いがちですが、背中に針が刺

さってるという事で気持ち悪くなることが多いようです。

 

・お腹を大きく開け始めた時

⇒やはりここでしょうね。見た目のグロさと人の焼けるにおいで気持ち悪くなります。

 

・ラパのモニターで酔う

⇒ラパの手術でずっとモニター画面を見て酔うパターンもある様です。

 

結局どの場面でも起こりうるわけですね。

外回りさんは念頭に入れて頂けると助かります。

 

・体調管理はしっかり

恐らく一度倒れたら、一時期的でその後元気になったとしても手術室の見学に再び入れる事は出来ないと思います。

私が実習担当だった時もその様にしていたし、学生にも説明していました。毎日の記録を書くのが大変だと思いますが、前日はしっかり休んで体調を整える様にしてください。

特に女性の場合は月一回のどうしても体調の悪い日の場合もありますので、事前に薬を服用しておくなど対策を考えてみてください。

 

そして。倒れる前にしゃがみましょう。

その場にゆっくりとしゃがむ様にしましょう。

 

※必ず守って欲しいこと まとめ※

・不用意に手術の物品を触らないこと

・具合が悪いときは必ず申し出ること 

 

たったの二つだけですが、かなり重要な事です。そして何かあったらすぐに看護師に伝える様にしましょう。

 

事前にやっておくと良いこと。

手術見学中は特に何をするといった事は無いと思いますが、かといって特に何も考えずにただ手術見学をするのはもったいないと思います。

手術見学をより良いものにする為のアドバイスを考えました。

 

1.体調管理は万全に

前項目でも述べたのですが、体調不良によって途中退席はもったいないです。

働くようになって病棟に配属になったらなかなか手術見学も出来なくなり、学生の間はこの機械を逃すと見れなくなる事が多いので、ぜひ体調万全にして見学しましょう。

 

2.自分の見学する手術について調べる

これも見学をする上で必須だと思います。

受け持ち患者さんのアセスメントする上でどんな手術をして、どうなったのか、患者さんの様子などしっかり把握する様努力してください。

特に手術中の事は病棟の看護師さんはアドバイス出来ませんので〝手術室でのこと〟は学生であるあなたが見てこなければいけません。

 

かといって、手術を完璧に覚えたりする必要はありませんので、教科書や慰安の時代ではネットでかなりの情報を得ることが出来ると思いますのでしっかり調べてから手術見学に臨みましょう。

※中には手術のことを質問してくる看護師もいます。

難しい質問に関しては意地悪な看護師だなで済むのですが、せめて「どんな手術か調べてみた?」といった質問には答えられる様に準備しておきましょう。

 

3.手術室での注意事項をもう一度確認する

恐らく手術見学の前に手術室でのオリエンテーションがあり説明を受けると思います。

その際に担当者から手術見学をする上での注意事項を説明されると思います。

この注意事項はしっかり聞いて必ず守るようにしてください。

 

恐らくは前述したとおり、不用意に物品を触らないことや体調のこと、見学時の場所などなどを言われるかと思います。

 

4.目的・目標を言えるようにしておく

個人的にはここは特に確固たるものが無くても、とりあえず手術を真面目に見学してもらって、しっかり学びを得たり、看護師の役割なんかに気付いてくれれば良いと思うので特に重視していないのですが、実習指導者さんによって違うようです。

と言うより、実習指導者研修なんかでは目的・目標をしっかりしていないといけないと教わるみたいです。

個人的にはそれは〝病棟の〟であって、手術室では簡単な目標で良いのでは?と思います。

 

どんなことをしているのか想像がつきにくい手術室において、しかも看護学生が手を出せるものが少ない場所において、目的・目標を細かく設定するのは非常に困難だと思うからです。

だったら、現場の人間が興味を持ってもらえるように教えておげるのがいいんじゃないかと思う訳です。

 

ですが、そうも言っていられないのが困ったものです。

「手術室の看護と看護師の役割について知る」ではいかがでしょうか。

ここは指導者によって意見が分かれるところだと思います。

そこに+αとして器械出し看護師の〝ココ〟が見たい、外回り看護師の〝ココ〟が見たいなどがあると良いかもしれません。

ただし、それだと見るだけではダメと突っ込みが来そうなので、見た上で学びを得る事を付け加えてみましょう。

 

5.時間あるときにやっておくと良いもの

ここからは難しい質問をしてくる看護師用の対策として、勉強しておくと良いものを挙げていきます。

 

1.術式についてとにかく細かく勉強しておく

⇒どこまでと言われると正直実習時間内に終わらないと思います。とにかく時間の許す限りでしょうか。

 

2.全身麻酔・挿管介助について

⇒全身麻酔の作用、使用する薬剤、患者さんへの影響(呼吸状態、意識など)、挿管とはどんなことをするのか、その影響はなど

 

3.Aラインとは(実際質問している看護師を見たことがあるので)

⇒どんな患者に入れるのか、どんな効果があるのかなど(正直答えられるわけないじゃんと思いました)

 

※基本的に手術室で受ける質問は難しいことが多いので、あまり気にせず手術見学をして多くの事を吸収していってください。

 

手術室での看護問題・看護過程はあまり気にしなくても良い。

普段実習で立てているような看護問題や看護過程については〝手術室内〟に関しては特に立てる必要はないと思います。

(看護学校で立てるように指導されていたらすみません)

 

ただし〝周術期の〟看護問題・看護計画は立てないとダメですよ。あくまで〝手術室内の〟は考えなくて大丈夫ですよということです。

 

立てようと思えば立てれるのですが(手術室看護師は立てなきゃダメ)、看護学生には非常に難しく、しかも手術中の看護過程なのであっという間に終わってしまうので、追いつかないと思います。

 

そこで、私が注意して欲しいのは、どうも学生相手に手術中の看護計画や看護問題をお金を取って売っている方がいるようです。

どうしても興味があって買ってでも見てみたいなら良いですが、まずは身近の看護教員に聞いてみてください。

周術期看護については立てないといけないですが、こちらも病棟の看護師や看護教員にまず相談してみてください。

こちらはタダで教えてくれますよ。

 

最後に。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

看護学生が手術室の見学に入るのはかなり緊張すると思います。

手術室の看護師はなんか怖いなーと思うかもしれません。

 

ですが、それぐらい張り詰めた空気の中で穏やかに、患者さんの安全・安楽を考えながら仕事をしてる手術室看護師の魅力を存分に感じてきてください。

 

何か質問や疑問があったら遠慮せずご連絡ください。