手術看護について大学ではどんな授業をしているのか。

手術看護について大学ではどんな授業をしているのか。

こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。

私は手術看護の認定看護師を取得しており、かつ看護大学の教員として働いています。

大学の仕事以外に、非常勤講師として看護専門学校の授業を担当しています。

 

最近、手術看護の認定看護師さんや実践指導者さんから〝大学教育に興味がある〟〝大学で講義がしたい〟といった旨のお話を受けることが増えてきました。

手術看護系の資格をお持ちの方は手術看護にかなり熱があるイメージで、学生にも手術看護に魅力を伝えたい!!といった意気込みを感じます。

ですが、少しだけ冷静になってもらいたいのです。

正直、学生にうちに〝どこまで〟手術看護を教え込むべきか。

ここは非常に難しい問題だと、教育の現場に入って凄く感じました。

今回は、大学ではどのような〝手術看護〟の授業をしているのか記事にしていきます。

この記事の内容
・手術看護は大学授業ではどのような授業をしているのか

手術看護のコマ数。

看護大学では4年間かけて授業を受けて学ぶわけですが、手術看護のついてのコマは4年間で何コマあると思いますか?
手術室看護師の主な仕事は当然、手術中(手術の中)のことですからジャンルで言うと〝手術看護〟になります。
術前、術後の看護は〝病棟〟看護師のことになります。
純粋に手術室看護師のことを取り上げる授業は、たったの1コマになります。
4年間でたったの1コマです。
もちろん、大学によってカリキュラムが若干違いますのでコマ数に変動はあるかと思いますが、そう大々的に授業している大学は聞いたことがありません。

国家試験にほとんど出ない。

授業で取り扱われない理由の一つに、国家試験にほぼほぼ出ないということがあります。
術後患者さんについてや術後合併症に関しては出題されることもありますが、〝手術看護〟としては国家試験に出ることはほとんどありません。
器械出しに関してはまず出ないでしょう。

 

出るとしても、術後合併症に繋がる視点で、手術中にどんな体位を取っていたかといった部分で出題されるかもしれません。

 

ただし、〝どんな〟手術をしたのか、については理解していることをおすすめします。

術式に関しては出題せることがあり、その術中の看護ではなく、その手術に特有の術後合併症として出題されることがあります。

〝手術看護〟についてはあまり勉強しなくても影響はないかもしれませんが、手術に関しては勉強する必要があると思います。

 

総合実習(統合実習)で手術期を見れる。

ほとんどの大学で実施していると思うのですが、4年生の最後の実習で学生が自分で興味のある分野の実習を選んで実習するスタイルがあります。

その際に、手術期を見れる分野を希望すれば手術室の看護師がどんな看護をしているのか見ることが出来ます。

私の大学でも採用していて、私が手術室に引率し実施しています。

手術室で手術室看護師の目線で実習を展開していきます。

そこで手術看護に存分に触れることが出来ます。

 

さすがに器械出しをしたり、、とは出来ませんが、挿管介助くらいまでは実施することが出来ています。

 

学生の間に手術看護に触れる機会は少ない。

改めて振り返っても、学生の間に手術看護に触れる機会は少ないと言えます。

でもそれは〝やる気〟が無いわけでは無く、現状どうしても難しいというのが本音です。

 

私はその状況を打開すべく、手術看護の魅力を発信していくつもりです。

正直、初学者への手術看護の理解は非常に難しいと教育の現場に来てみてさらに思うようになりました。

ここで、高いレベルのことを学生に求めることは難しいと思います。

 

現場の手術室看護師の方々が高いモチベーションで学生に関わりたいという意見も聞くのですが、その〝期待〟に応えることは現状難しいのです。

 

その点を頭に入れて頂いて、大き過ぎる期待を持たずに、手術看護に興味がでるような関りをしていただけると非常に助かります。