
【看護学生向け】関連図の書き方のヒント・考え方について
こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
今回は関連図の書き方のヒント・考え方について一つの参考になればと思い自分の考えを含む内容で書かせていただきます。
看護学実習の記録で欠かせないのが関連図です。
授業でも習ったと思いますが、実際の患者さんの関連図を書けと言われるとなかなか書けないもんです。
教員や実習指導者の考え方にも違いがあり、どれを参考にすればよいか分からなくもなります。
100%の正解を書くことは難しいと思います。
ですが、少しでも良い関連図が書けるように、私の考えも含みますがアドバイスをさせていただければと思います。
実際の実習でもこのように指導することもあります。
今回の記事では関連図を書く上でのヒントや考え方の一助になることを考えていますので、各疾患の関連図については他の記事で少しずつ書いていこうかと思います。
ここでは所謂、概論のつもりで読んでいただけると幸いです。
そもそも関連図は必要か。
いきなり元も子もないことを言います。
ですが実際このように思っている方も多いのではないでしょうか。実際看護学校で関連図を書いていないといった学校もあるようです。
ですが、私は〝必要〟と強く思っています。
私が考える関連図の必要性は、みなさんの〝頭の中を覗く〟ためです。
患者さんの全体像をどのように捉えているのか、問題点はどのように考えているのか、関連図を見ればあっという間に伝わると考えています。
逆を言えば、学生からしたら自分の考えを伝えるときのツールとして使っていただければ良いのです。
それが難しいんだよ、と声が聞こえてきそうですが、それが書けないという事はちゃんと患者さんのことを捉えることが出来ていない事になります。
関連図の書き方のヒント・考え方。
一言で言うとアセスメントが図になったと考える。
よく私が学生に言うのは、関連図のざっくりとしたイメージはアセスメントの文章を単語にして繫げていくイメージと言っています。
何故入院してきたのか(入院の目的、要因は何か)、どんな治療をするのか、どんな病気なのか、その病気に至る病態生理はどうか、ここがまず基本線になります。
入院する要因となった疾患名、その治療が書かれないとまず始まりません。
ですがここはカルテを調べればすぐに出てくると思います。
関連図を書く上で外せないところ。
関連図は最終的に患者さんの問題点が出てこなければいけません。
そこでその問題点にたどり着くために、みなさんはどうしても問題点に向かって書いていきます。
問題点ありきで書き進めてしまうのです。
それではすでに頭の中に問題点が浮かんでいないと進まなくなります。
関連図はどんな問題点があるか導き出すツールでもあります。
つまり関連図を書き進めることによって問題点が整理できるのです。
そこで外せないポイントがあります。
身体面・心理面・社会面の3側面で見る。
まずはこちらの3側面で見ることをおすすめします。
身体面は比較的楽に浮かぶのではないでしょうか。
どんな疾患か、その疾患によってどのような状態に患者さんが陥っているのか、これだけでも身体面が書けます。
心理面もその言葉の通りですが、患者さんとコミュニケーションを取っていく中で不安に思う事や、心配な事、病気についてどう思っているのか、職場復帰のこと、家族に対しての思いなど、要するに患者さんの思いを情報収集すれば良いのです。
社会面は退院後に要介護などの手助けが必要か、家族の助けはあるか、社会保障などが必要かなどです。
ここで一つ注意して欲しいのが、問題点に繋がらなくても必ず書く事、です。
関連図を書けば問題点が分かると言いましたが、問題点に繋がらなくても、患者さんの人となりを表すツールですので、この3側面で今患者さんがどんな状況にあるのか、必ず書くことで患者さんの全体像を掴むことが出来ます。
病態生理を書く。
例えば糖尿病で入院してきた患者さんを受け持ったとします。
そしたらまずは糖尿病がなぜ起こるのか、といった疾患の病態生理を書きます。
所謂〝一般論〟という部分です。
どういったメカニズム、どういった経緯で糖尿病になるのか、教科書に載っているような内容です。さらにその疾患によってどんな症状が出るのか、合併症があるのかなどを書いていきます。
ここで注意なのですが、あまり病態生理やメカニズムの部分を多く書いてしまうと〝くどく〟なるのです。
この部分は正直指導する教員や実習指導者によって程度が変わったりするので、ある程度書き進めたら相談すると良いでしょう。
さらにここでポイントがあります。
今回の病気になった(入院した)要因を書いてみる。
今回の入院の要因になった患者さんの背景を書きます。
背景とは、入院までの生活の中で今回の疾患に繋がる可能性のあるものです。
例えば糖尿病なら普段から甘いものを食べていた、心筋梗塞ならタバコやお酒など、のことです。
今までの授業でも聞いたことがあるのではないでしょうか。
こんな生活をしているとこんな病気になりやすよ、など教員から聞いたことありませんか?
それが今回受け持った患者さんに当てはまるか、確認してみます。
もし、その様な要因が無かった、例えばタバコを吸っていないといった場合でも関連図には書き込んだ方が良いです。
それくらい心筋梗塞の要因にタバコが挙がっているからです。ここで書いていることで、この学生はちゃんと理解していると判断されることが多くなると感じています。
ここで重要なことは、疾患の要因と強く繋がっている事柄については患者さんに当てはまらなかったとしても記載することです。
読み手としては、知っているけど書いていないのか、分からないから書いていないのか判断しにくいのです。
〝無い〟という情報が欲しいのです。
今出ている(顕在化している)症状、これから出そうな(潜在化している)症状などを書く。
一つ前の話とも少し重なりますが、何のために入院したのか、その原因疾患を書いたら今度はその疾患にかかったらどんな症状があるのか、を書いていきます。
そこで重要なのは前述した通り、今患者さんに出ている症状、出ていない症状の両方を書くことが大事です。
そこで患者さんに今どんな症状が出ているのか把握できているか確認することが出来ます。
そこで分からなければ、情報収集をすれば良いのです。
関連図をまとめることで患者さんのどんな所をまた情報収集すれば良いかも明確になっていきます。
そうやって関連図をどんどん追加していけば良いのです。
さらに今出ている症状に対して、どんな対症療法をしているかを書きます。
また、これからこんな症状が出るかもしれないか観察しないといけない、とかこんな対策を取っていますといった内容があったら書きます。
退院後の生活をイメージする。
ここで必ず捉えていただきたいのが、患者さんの退院後の生活についてイメージしてどんなことが予想されるか考えて欲しいのです。
こちらも特に問題点が挙がらないとしても必ず考えて欲しい項目です。
関連図に書くだけでなく、アセスメントの所でも十分に吟味してください。
ここで看護学生が良く実習でやっている退院後の教育としてパンフレットの作成といった話をよく聞くと思います。
必ずしもパンフレットを作成する必要はありませんが、必要なのか、必要ならどんな内容にすればよいのかといった所はぜひ実習中に考えて欲しいと思います。
アセスメントと関連図を行ったり来たりする。
私は学生を指導する時、このフレーズを良く使います。
いつまでもアセスメントばかりやっていて、完成してから関連図へとなると、かなりの時間がかかります。
さらに不足したまま進んでしまうので、結局完成度も良くないのです。
そこで私は、ある程度アセスメントが進んだら関連図を書くように指導しています。
関連図を書いたとして、必ず突っ込まれると思います。
つまり足りないのです。
関連図を書いているうちにどんな情報が足りないのか、どんなアセスメンを追加すればよいのか、といった所に気付くと思います。
そしたらアセスメントに戻るのです。
そしてまた関連図に付け足していく。
その繰り返しでアセスメントも関連図ももっともっとより良いのものになっていきます。
色んな考え方があるので参考にする。
正直、教員や実習指導者によって書き方やどこに着目するべきか微妙に違いがあると思います。
学生にとってそれがかなりの脅威になり、時には評価に関わるのではないかと思い、自分の意見を押し殺してしまう要因になってしまうかもしれません。
この様な状況は非常に由々しき事態で非常に申し訳ないと思います。
ですが、そこで一つ考えを変換して欲しいのです。
それは様々な意見を聞いて、自分のしっくりくる関連図の書き方を摸索して自分なりに納得にいく書き方を見つけて欲しいのです。
無責任に感じるかもしれませんが、看護は多様性が求められる職種です。
ここで色んな意見を受け止める練習をしてみませんか。
もちろん迷ったら何でも相談してください。
必ず力になってくれると思います。
もちろん私に相談してくれても時間の限りお手伝いいたします。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
恐らく様々なご意見やご感想があると思います。
ぜひ聞かせてください。
どうぞよろしくお願いいたします。