
看護師が看護系以外の大学院へ行くべきか【総論】
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こんにちは。一匹兎(@pepeopecn)と申します。
私は現在、大学教員として働いていますが、元看護師でもあります。
大学教員として働く以上、大学院へ行く事は必要項目なんですが、その際に看護系以外の大学院でも良いのではないかといった疑問を持ち、実際に看護系以外の大学院を修了しました(情報工学系)。
今までの経過を綴ったものや、私情タップリの記事もありますのでご覧になってみてください。
結論:無理に看護系以外を、と考えなくても良い。
看護系以外の大学院へ行く目的をしっかり持つ事。
いきなり〝行かなくても良い〟という結論で申し訳ありません。
ですが、実際看護系以外の大学院を修了した私の最終的な意見はこちらになります。
それでも、私は後悔していませんし、またこの機会があったら看護系以外の大学院に行くと思います。さらには今後博士課程に行くとしたら、もしかしたらまた懲りずに看護系以外の大学院を目指すかもしれません。
そこにはちゃんと理由があるのです。
それは、大学院へ行く〝目的〟がどこにあるのか、だと思うんです。
研究がやりたくて自主的に行くのか、ただ職場から半ば強制的に行かされ、ただ単に修士の学位が必要なのか、昇進するために学位が必要なのかetc…
ただ学位が欲しいだけなら、正直お金がかからない通信制の大学院や、あまりレベルの高くない、比較的緩い大学院を選ぶことも出来ます。
そこにわざわざ〝看護以外〟といった足枷を追加する必要は無いわけです。
サクッと取れる様なやり方で修士を取ったって構わないわけです。
そこに〝無理に看護系以外に進む必要はない〟と思う理由があります。
私の場合は。
ここで私の場合をお話しします。
私は、大学院での研究テーマは「手術看護」について行いたいと考えていました。
そこで思った事は、周りに手術看護を経験されてきた先生がいない事でした。
手術看護は病棟でいくら経験を積んでも、現場に行かないと想像もつかない所です。
その状態で的確なご指導をいただけるか(ホント失礼ですね、すみません)、事情が分からない先生から辛らつなご指導をいただいたときに納得できるかなど考えたら、看護系で大丈夫だろうかといった心配が出てきました。
そこで、様々な先生方に相談し、修士は研究のやり方を勉強しに行く所、看護系にこだわる理由もないといった意見もあり、いっそのこと看護系以外の大学院でも良いかと思い、情報工学系の大学院を受験しました。
看護師が看護以外の大学院に行っても良いのか【私情を挟んだ検討】 - 一匹兎.com。 (ippikiusagi.com)
研究手法が看護では対応できるか疑問だった。
私が修士で実施しようと思っていた研究は、器械出し看護師についてです。
ネタバレになってしまうので詳細は控えますが、実験研究をしたかったのです。
本当に申し訳ないのですが、看護系の大学院に進んでしまうと実験研究ではなく、アンケートなどの主観的な研究になってしまいそうな予感がしたのです。
それが悪いという訳ではありません。
私の考える、やりたい研究ではなくなってしまいそうに思いました。
さらに、私の近くにその様に客観的なデータを取得する様な実験研究を得意とする先生が見当たらなかった、見つけることが出来なかったからです。
非常に失礼なことを言っていると思いますが、やはり自分がやりたい研究を突き詰める部分もまずが大事と思います。
そんなことを考えているうちに看護系でなくても良いか、といった考えになりました。
実際通ってみてどうだったのか。
私自身を褒めるつもりはないのですが、正直なぁなぁな気持ちで看護系以外の大学院に通ってもかなり難しいと感じました。
中途半端な気持ちで看護系以外の大学院に行く事で、言い訳(私は看護師なのに看護系以外の苦手な分野にいる)にもなるし、途中で挫折するだろうと。
受験前にかなり時間をかけて考えた。
私は、今回の看護系以外の大学院を受ける為に、実際働きながら2年間どのようなスケジュールでいけばよいか、指導教員と面談して私が考えている研究内容で出来るだろうか、私の職場の理解はどうだろうかなど、1年近くかけて準備をしました。
最近、大学院を受験した方たちを見かけるのですが、あまり覚悟がないのかなといった言動が目立つ様になりました。
大学院の修了が昇進にも響くようになってきましたが、やはり何を目的に大学院に行くのかを再度しっかり時間をかけて考えるべきと思います。
マイノリティに酔わない様に。
私自身注意していることがあります。
それは看護系以外の大学院を修了したことで、自分が何か特別な者でると錯覚することです。
変にマウント取りや、私の方が優秀だとか思わない様にしています。
私は、看護はどの分野でも繋がると思っています。
看護以外の分野からいかに看護学へ還元できるか、ここが勝負だと考えています。
看護系大学院もかなりレベル高い。
ここで勘違いして頂きたくないのが、看護系大学院のレベルが低いから他分野の大学院に行ったと思われたくないことです。
私立系大学の乱立に伴い、大学院も多くなってきて、正直疑わしいレベルの大学院もあります(私の所属する大学もその類だと思います)。
ですが、名のある大学の大学院やかなりレベルの高い大学院があるのも事実でしょうし、今後看護教員として業績を積んでいくのであれば、看護系の大学院をお勧めします。
敢えて別の道を、と看護系以外の大学院にと思うと後で後悔することになりそうです。
ここからが本当の勝負。
私は看護系以外の大学院を修了しましたが、後悔してないし、むしろまた行きたいくらいです。
そこにはやはり、看護学の研究の発展のためには、殻に閉じこもるのではなく、他分野の文化をもっと受け入れるべきであると考えるからです。
私が研究を進めることで、少しでも証明出来たらと考えています。
もし私と共感できるところがありましたら一緒に頑張っていきましょう。